さがみはら南区 人物風土記
公開日:2025.10.16
ピアニストで地元公民館やホールでの公演に出演する
矢澤 一彦さん
豊町在住 54歳
「気軽にクラシック」届け
○…「高いお金を払わなくても、色んな人にもっと気軽に楽しんでほしい」という思いで約20年、地域の人たちにワンコイン(500円)で演奏を届けている。夫婦でのピアノ演奏だけでなく、地域の愛好家と共演するのも楽しみ。「近所の人たちも聴きに来てくれるので、道で会ったときに『楽しみにしている』と声をかけられるのが嬉しい。喜んでもらえるのが一番」と笑顔を見せる。
○…ベルギー留学から帰国して住んだ相模大野の公民館にピアノがあることを知り、「地域の人たちと音楽を楽しめる何かをやりたい」と思い立ったことがきっかけ。そこで立ち上がったばかりのクラシックコンサートの出演依頼を受けた。会議室で行われた第2回に出演すると、観客が溢れるほどの大盛況。「自分はただ弾きに来ただけだったのに」と驚きつつも感謝の気持ちで一杯になった。
○…5歳からピアノを始める。中学生の頃はクラシック好きの同級生と作曲家や指揮者について話したり、昼の校内放送でお気に入りの曲をかけたりした。就寝の際に聴くのが習慣になるほどはまった。当時習っていた講師の影響で近隣の大学やホールで行われていた無料のコンサートに1人で足を運び、「気軽に素敵な演奏が聴けるなんて。こんな演奏をしたい」とプロを目指すようになった。
○…ベートーヴェンの曲を全て演奏できるようになるのが夢。「これまでのコンサートで弾いてきた曲の何倍も弾き足りていない曲があるから、これからもこの活動を続けていきたい」と力強く話す。「お客さんや実行委員会の皆さんのお陰で続けられている。これからも気軽にクラシックを楽しんでもらうことで恩返しになれば」
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