多摩市と日野、稲城の薬剤師で構成される「南多摩薬剤師会」の地域での存在感が増している。新型コロナのワクチン接種では、多摩の注射剤ワクチン調製を担当。小坂智弘会長に聞いた。
――コロナワクチンの調整とは
「ワクチンを薄めて人数分(6人分)に分ける作業のこと。多摩では行政の依頼を受け、9月末まで当会が担当させてもらう。正確性や細かい精密性が求められるものだが、毎日薬の調合にあたっている薬剤師にとっては慣れていること。今のところスムーズに進行している」
――接種が始まった頃は大変だったようだが
「会員がみんな積極的に参加してくれて乗り越えることができた。基本的に4、5人のチームで動くことになったが、この業務を通じて会員間の結束が深めることができた。顔見知りが増え、今後にもつながることと考えている」
――8月にはいわゆる「かかりつけ薬局」制度が始まった
「よくこの制度を高齢者の薬のもらい過ぎを避けるためのもの、と認識している人がいるが、正式名称を『地域連携薬局』と呼び、薬の適正利用について高齢者にアドバイスするだけではなく、地域の医療機関と連携を図り在宅での医療を支援することができる機能をもつ薬局のことを指す」
「その機能は元々我々が目指してきたことだが改めて国が認定する形になる。当会としては、会員が運営する薬局が『かかりつけ薬局』の機能を果たせるよう支援していきたいと考えているところだ」
――地域連携と言えば、多摩では薬剤師による市内小中学校への支援も積極的だ
「こちらは学校薬剤師会として活動している分野。多摩市が誕生した50年前、急速に学校が増えたことで、衛生面や授業で使用する薬剤を管理する人が手薄になり、当会に所属する多摩の会員が全面的に協力したことが始まり。以来、プールの水質検査などにも立ち会うようになり、多摩では子どもたちを守る使命感が伝統的に引き継がれてきている」
――今後、目指していくところは
「引き続き、地域住民に貢献していきたいと思う。時代に合わせ、柔軟に対応していくことが求められてくると思うが、会員間の結束を深め、対応していきたいと思う」
「一方で、後継者づくりにも力を入れていかなければならないと考えている。毎年、会員の薬局ではインターンとして学生を迎え入れているが、今後も積極的に受け入れ育てていきたい」
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