平塚・大磯・二宮・中井 人物風土記
公開日:2025.12.26
創設40周年を迎えた「日本空手協会 平塚神空会」の師範を務める
片倉 久(ひさし)さん
平塚市撫子原在住 78歳
教え子の活躍が喜び
○…平塚神空会を創設してから40年の節目を迎えた。「これまで支えてくださった関係者のみなさんのお陰」と感謝を口にする。稽古場は、自宅近くの平塚市立なでしこ小学校。師範として、現在は約40人の会員を指導している。「コロナ禍以降、女性会員の割合が多くなった。どのように接するべきか悩むこともあるが、全国大会で教え子が毎年出場し活躍することが一番の喜び」と顔をほころばせる。
○…青森県五所川原市で生まれ育ち、日産車体への就職を機に、17歳で平塚市に移り住んだ。社員寮から職場までの道のりに空手道場があることを知り、そこで目にした組手の迫力に憧れて入門。自分に合っていると感じた一方で、「終わりが見えないうさぎ跳びが一番きつかった」と苦笑い。23歳で「日産車体空手道部」を設立。その15年後、息子が空手を始めたことをきっかけに、「自分で教えたい」と同会を立ち上げた。「40年間で530人を指導し、合わせて540段の段位を取得した」と誇らしげに語る。
○…定年退職後は、「自分のことは自分で」との思いから料理を始めた。コロナ禍前は、月に1回ほど教室にも通ったという。青森県の郷土の味を好み、「貝に味噌や長ネギ、卵を入れる料理をよく作る」と笑顔で話す。
○…神空会の名称は、旧姓である「神(じん)」と空手の文字を組み合わせたもの。婿入りで名字が変わったため、「思い入れのある名字を残したくて」と話す。会員には「空手は個人競技なので、自分の努力が報われる競技。まずは元気いっぱいに大きな声を出して、力を出し切ってほしい」とエールを送り、「これからは、会を継いでくれる人を育てたい」と未来を見据えた。
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