県が3月25日、今年1月1日現在の県内外国人数を発表した。本紙発行エリアでは綾瀬市が4068人で最も多く、政令市を含む県内19市で外国籍市民の割合が最も高い。とりわけスリランカ出身の市民が急増している。
県内に住む外国人は前年より1万5708人多い22万8275人で、出身は173の国と地域に及ぶ。県人口に占める外国人の比率は2・4%で6年連続の増。上位5か国の中国、韓国、べトナム、フィリピン、ブラジルで全体の約7割を占める。
綾瀬市の外国人比率は4・7%で政令市を含む県内19市で1位。愛川町(7・1%)と箱根町(5・3%)に次ぐ県内3位で、座間市は10位(2・4%)、海老名市は14位(1・9%)。
綾瀬市では1980年のインドシナ難民受け入れを機に外国人の増加が始まった。90年の入管法改正で在留が認められるとブラジル人が増加。リーマンショックと東日本大震災後に減少したが15年から再び増加に転じた。
15年の上位は【1】ブラジル【2】ベトナム【3】ラオス―だったが、翌16年にはベトナムがブラジルを抜き1位、今年3月にはスリランカもブラジルを抜いた。15年からの伸び率ではベトナム188%、スリランカ363%、ブラジル105%でスリランカの伸びが際立つ。
こうした背景を受けて綾瀬市は、4月と6月の「広報あやせ」でスリランカの文化などを紹介する。市の担当者は「市民の皆様にスリランカを知っていただき相互理解につなげたい」と話す。
ペレイラさん
来日20年で海老名市東柏ケ谷でスリランカ料理店を営むレスリー・ペレイラさん(43)=写真は「最近はスリランカの若者が増えている。イスラムのモスクが海老名にあり、家賃が安い綾瀬に多く住んでいる」と話す。
ペレイラさんは仏教徒で宗教上の食の制約はないが「イスラムのスリランカ人も良くお店に来てくれる。ハラールで食べられるものを選んで注文する」ともいう。
親日国
スリランカはインド南部のインド洋に浮かぶ島国で、外務省によると人口は2103万人。国土は北海道の約0・8倍。縫製業や紅茶、ゴム、ココナッツなどの農業が主要産業で非同盟中立国の伝統的な親日国でもある。
戦後のサンフランシスコ平和会議(1951年)では当時の同国代表が「憎悪は憎悪によって止むことなく、愛によって止む」とのブッダの言葉を引用し対日賠償請求権を放棄。日本を国際社会の一員として受け入れるよういち早く訴えた。
スリランカは多民族宗教国家で国民の70%が仏教徒。ヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教徒もいる。
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