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公開日:2022.09.02

県・地域別首長懇談会
知事と市長、意見交わす
内野市長、「5回目接種が正念場」

  • 懇談会に出席した内野市長(右下)、古塩市長(左下)、オンラインで出席した佐藤市長(上)

 県央地域の市町村長と県知事が地域の課題について意見交換する「令和4年度地域別首長懇談会」が、8月26日に海老名市内で開催された。海老名市の内野優市長、座間市の佐藤弥斗市長、綾瀬市の古塩政由市長らが参加し、黒岩祐治知事と意見を交わした。

 この懇談には厚木市、愛川町、清川村を含む県央地域の首長も参加し、大和市は小山洋市副市長が代理出席した。県側は黒岩知事をはじめ局長クラスの幹部が揃い、各地の首長が述べた課題などに対し現状の取り組みを説明した。

 黒岩知事は冒頭で、継続して取り組んでいる新型コロナウイルスの感染症対策と生活者、事業者への支援や、今年11月に県内各地で開催され、全国から約1万人が来県する文化スポーツ交流イベント「ねんりんピックかながわ2022」への協力を要請した。

 そのあと各市町村の首長が各地の課題について述べた。

リーダーシップ

 海老名市の内野優市長は、県のリーダーシップについて課題を提起した。とりわけ、性差のない結婚の意思を尊重するパートナーシップ宣誓制度や犯罪被害者への支援、持続可能な開発目標に取り組むSDGs、2023年10月に導入されるインボイス制度などで、広域調整を担う県の役割強化を求めた。

 黒岩知事は「提起された問題はコミュニケーションが不十分なことに問題があると思わざるを得ない。県民が不便を感じることがないようにしたい」と見解を述べた。

知事と激論

 内野市長はさらに、国がワクチン接種を優先するとしたソーシャルワーカーに「保育士や警察官が含まれていない」と指摘した上で「知事が国に強く求める必要がある」と、黒岩知事に対応を求めた。さらに「ワクチンの確保についても国からの状況をしっかりと把握して自治体に情報を送るなど、県には混乱が起こらないようお願いしたい」と述べ、「5回目の接種が正念場になる」との見方を示した。

 黒岩知事は「保育士や警察官の事はしっかりと国に伝える」と述べ、県が今年1月、全国に先駆けて導入した健康保険適用の自主療養届出制度例を例にあげ「時々は褒めてほしい」と、県の取り組みに理解を求めた。

座間、綾瀬も

 市役所からオンライン形式で出席した座間市の佐藤市長は、コロナ禍でも感染症対策を徹底して実施した大凧まつりや、ひまわりまつりの開催状況や、人口約13万人の半数を超える7万6千件が登録している市公式LINEアカウントの活用実績やLINEを利用した行政サービスが約80あることを報告。綾瀬市の古塩市長は、コロナ禍で実施した高齢者の生活実態調査に基づくスマホ教室の展開や、今年3月に表明した「ゼロカーボンシティ」を実践する脱炭素社会への取り組みを紹介した。

 古塩市長は「3年間の行動制限が高齢者やこどもにも大きな影響を与えている。子どもたちの成長プロセスにどのような影響があったかも調査する必要がある」との見方を示した。これに対して県は「大切な視点だと受け止めた」と、関心を寄せていた。

 この首長懇談会は年に一度、県内を5つの地域に分けて知事ら県幹部ら巡回して開催し、知事と各地区の首長が一堂に会して意見交換している。

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