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公開日:2025.08.22
ナラ枯れ、大幅減
座間では市民団体が対策
県内のナラ枯れが、2021年の2万8千本をピークに、昨年は1836本に減った。座間市の公園でも大きな被害を出したが、市民団体が木を守るためボランティアと防虫トラップを設置。原因となる虫を大量捕獲するなど倒木防止に汗を流してきた。
座間安全・安心推進会(小林覚代表)では9年ほど前から市内の倒木について調査し始め、ナラ枯れ対策に乗り出した。体長約5ミリの「カシノナガキクイムシ」が樹木に入り、媒介する菌によって枯れるもので県内では2017年から被害が拡大。昔に比べ木材利用が減り、古い木が増えたからとも言われる。
「以前は公園の被害木を伐る音が毎日のように響いていました」と語る小林代表(78)は、当初私有地の樹木で薬剤注入などを試みた。しかし効果はなく、4年前に廃ペットボトルのトラップを発案。樹木に入ろうと飛び回る虫がぶつかり、トラップに落ちる仕組みだ。テストで大量捕獲できることがわかった。
同会は市の「公園・広場等アダプト制度」に加わったおり、22年から芹沢公園などに約100本のトラップを設置。捕獲数はバケツが一杯になるほどで、23年、翌24年とトラップ設置樹木の被害ゼロを達成した。
県内の被害は年々減る傾向で、相模原市の北部の被害が目立つ程度。座間市管理の公園では、年50本あった伐採(21年)が昨年12本まで減っている。県水源環境保全課は「虫がより被害の少ない場所へと移った可能性がある」としている。
同会では今年、トラップの数を減らして様子を見ているが、被害は見当たらない。小林代表によると「太平洋高気圧や風の影響で虫が移動したのかも。トラップでの対策が続けられたのは様々な団体がボトルを寄せてくれ、ボランティアの方々が製作などに汗を流してくれたおかげ」と話す。
別の害虫対策も
同会ではいま、関東北部で果樹の幹を食い荒らしている別の害虫「クビアカツヤカミキリ」の動向を注視。これまでの経験も生かして群馬県内での駆除に加わっている。座間市内ではまだ被害はないが、藤沢市や相模原市で虫が見つかっているからだ。小林代表は「クビアカは座間にも必ず移動してくる。駆除のノウハウを積み、備えたい」と話している。
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