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海老名・座間・綾瀬 トップニュース文化

公開日:2025.10.17

海老名ささら保存会
竹楽器作りの伝統つなぐ
指導者招き制作

  • 漆原さん(左から2人目)からささらの作り方を教わる、三部さん(左端)らメンバー

 海老名ささら踊り保存会と大谷中学校区の青少年指導員の有志が、踊りで使う「ささら」と呼ばれる楽器を作り、後世へつなぐプロジェクトに取り組んでいる。初日の10月9日には、ささら作りの指導者を藤沢市から招き試作が行われた。

 ささら踊りは江戸時代中期に始まったとされる踊りで、お盆の時期に相模地域の農村で広く行われてきた。

 時代の流れの中、ささら踊りの文化は一時途絶えてしまったが、県内各地で復活させる動きがあり、海老名ささら踊り保存会(小泉和枝会長)は1979年に結成された。2008年には、綾瀬や藤沢など近隣6団体とともに「相模のささら踊り」として神奈川県指定無形民俗文化財になっている。

「作れる人がいない」

 ささら作りプロジェクトの中心となっているのは、同保存会の会員で青少年指導員でもある、三部孝子さん。ささらが古くなっても、地域に作れる人がおらず、作り方の資料などもない状況に危機感を抱き、「後継者を作らないといけない」と思い立った。

 三部さんが保存会と地域の青少年指導員に「ささらプロジェクト」の話を持ち掛けたのは今年7月ごろ。ささら作りの指導者を探すため、県や近隣の保存会などに相談したところ、葛原芸能保存会(藤沢市)の漆原信さんを紹介された。

 プロジェクト初日の10月9日に集まったメンバーは5人。メンバーの金子勝彦さんが営む建設会社の作業所が会場となった。ささらは竹を短冊形に割って、一端をひもで結んだもの。材料となる竹は、三部さんと金子さんが準備した。

 地域で差異はあるが、海老名のささらは長さ21cm、幅2cmの竹22枚で作られる。当日は漆原さんの指導を受けながら、竹を加工し、試作のささらを完成することができた。次回の制作は11月2日(日)に行われ、さらに4つのささらが作られる予定だ。

 三部さんは「試作がうまくいって嬉しい。作る様子を録画したので、自分たちでできるようにしていきたい」と喜びを口にした。

 同保存会は10月25日(土)に海老名市文化会館で行われる、えびな郷土芸能祭に出演する。今回制作されたささらも踊りで使用される。

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