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公開日:2011.05.27

いつか甲子園で対戦を
野球用品を被災地へ

  • 野球道具が届き喜ぶ被災地の子どもたち

 下谷在住の佐藤裕稔(ひろとし)さん(43歳)と妻の真寿美さん(44歳)はこのほど、東日本大震災の被害を受けた宮城県仙台市を訪れ、知人の協力で集まったグローブやバットなどの野球用品を、地元の少年野球チームに届けた。



市内外の選手・監督らが協力



 仙台大学の野球部出身である裕稔さんは震災直後、宮城県に住む野球部の同級生5人の安否確認をした。携帯電話もメールも通じない状況が続くなか、仲間の1人・津田宗彦さん(43歳)が監督を務める少年野球チームのホームページを発見。そこには大学時代を過ごした第二の故郷の変わり果てた姿が映されていた。



 仲間5人の無事は確認できたものの、裕稔さんは津田さんから、グラウンドや野球道具を津波で失い、私服で白球を追いかける少年たちの存在を知らされた。



 そこで「被災地に野球用品を届けよう」と決意。息子が使わなくなったボールやスパイクなどを押入れから引っ張り出し、知人にも声かけを開始。向上高校の野球部OBである裕稔さんが当時から通っていた堀田スポーツ、小学生野球のリトルヤンガーズや高部屋少年野球部、中学生野球の伊勢原ボーイズの選手、監督たちがこれに応えてくれた。



 協力の輪は市外にも広がり、グローブ43個、バット54本、軟式ボール208個、ほかにもユニホームやソックス、ジャージなど、集まった野球用品はダンボール20箱以上にものぼった。



 佐藤夫妻は、5月3日に仙台市を訪問。宮城野区の少年野球チーム・中野スパローズの平野利幸監督にダンボールを手渡した。裕稔さんは「協力してくださった方々には感謝でいっぱいです」と振り返る。



 後日、野球用品は平野監督から選手に渡され、子どもたちは喜びの表情を浮かべた。真寿美さんは「少しでも力になれてよかった。いつか仙台と伊勢原の野球少年が甲子園で対戦してくれたらうれしい」と語る。



 今後の支援活動は未定だが、裕稔さんは「何かできることがあればやりたい」と話した。

 

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