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伊勢原 人物風土記

公開日:2013.03.01

2月16〜24日に行われた世界らん展のミニチュアディスプレイ部門で最優秀賞に選ばれた
合田 一之さん
小稲葉在住 54歳

蘭の道に終わりなし



 ○…世界20カ国以上の生産者が作品の美を競い合った「世界らん展日本大賞2013」。6部門に分かれて行われたコンテストでミニチュアディスプレイ部門に出品、最高位にあたる最優秀賞に輝いた。今年から組織委員会の副会長を務めていることもあり、入賞は狙っていなかったそう。「でもやっぱりうれしかったですね。作品と審査員の好みがたまたま一致したのかな」と笑顔で振り返る。



 ○…毎年、東京ドームで開かれる同展は、蘭のコンテストとしては世界最大規模。第1回大会から参加しているが最高位は今回が初めて。受賞作のタイトルは「自然回帰」。金属などの装飾は廃し、カトレアやシンビジウム、アングレカムなど自生地の異なる15種類を組み合わせた。素材の持ち味を前面に出した作品は高い評価を受けた。「蘭は行き着く所がない。勉強するほど多くの発見に出会う」。世界中の種を交配させ、新たな美しさを紹介し続けることを生産者としての責任と位置づける。



 ○…東京生まれ。祖父、父が蘭の生産者だったこともあり、小さいころから蘭への関心が高かった。大学卒業後に渡米、現地で洋蘭の育種・栽培・販売のノウハウを学んだ。その後、祖父が立ち上げた「国際園芸」へ。同社が小稲葉に400坪の温室を造ったことがきっかけで、今から15年ほど前に会社を移転した。これに合わせて一家で伊勢原へ。2人の息子は独立し、現在は妻・父と暮らす。



 ○…趣味はドライブ。大山を望みながら車を走らせることが良い気分転換。一人旅も好きだが「今は仕事で精一杯なので旅行は当分先です」。忙しくも充実した日々の中で、かなえたい夢が見つかった。「育てるのが難しい、敷居が高いといったイメージが蘭にはあるので、家庭でも気軽に栽培できるような品種を作りたい」―。まだ見ぬ種を求め足を運んだ国、地域はこれまで20カ所以上。研究の道はこれからも続く。

 

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