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伊勢原 人物風土記

公開日:2013.06.14

都内で自身初の絵画展を開催している
村上 健太さん
東大竹在住 20歳

アートにアグレッシブ



 ○…卵の黄身と白の顔料を混ぜる。それを絵の具に溶いてパレットナイフで塗る。テンペラ画と呼ばれる技法で手がけた26作品を現在、都内の音楽喫茶に展示中だ。初めての個展のテーマは「コンピューターラブ」。作品はどれもパソコンの基盤を想像させる幾何学模様が立体的に浮かび上がる。「ですが、機械的な部分ではなく、コンピューターが持つ温かい側面を伝えたかった」と説明する。



 ○…「昔、大事にしてたぬいぐるみって捨てられないですよね。でも、パソコンは古くなるとすぐ新しいものに代わり、やがてポンコツと呼ばれる」。現代人の生活を支えてくれるコンピューターにもっと感謝を。個展で伝えたいのはそこだ。もっともサイズの大きい作品の題名は「つつみこむ母」。そこには穏やかな色彩で描かれた世界が広がる。コンピューターを無機質な存在ではなく、人間のパートナーとして描いた。



 ○…座間市に生まれ、5歳で伊勢原へ移り住んだ。小さいころからお絵かきが好きで、小学生になると父のパソコンを使ってイラストに夢中になった。中沢中では美術部に所属。高校では部長も務めた。その後、大学に進むがこの春、中退。「やはり美術の世界に生きたい」という強い思いからの決断だった。現在は、深夜のアルバイトとウェブデザインの仕事で生計を立て、美大進学を視野に貯金もしている。「美術に関する仕事は多岐に渡ります。そのどこかに入り、一生を通じて仕事がしたいです」



 ○…トレードマークの長髪は以前、胸の位置まであった。「人からは地味と思われがちですが、本人は結構アグレッシブなんです」と笑う。次回の絵画展も現在、準備中だ。複数の画家が一堂に会するグループ展やツイッターで知り合った仲間との絵画展なども企画。行動はまさにアグレッシブ。「自分で歩き出した道。責任をもって精一杯やり切りたいですね」―。大きく拳を握った。

 

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