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伊勢原 人物風土記

公開日:2013.08.30

9月6日に大山公民館で大山に関する講座を行う
佐藤 大住さん
大山在住 61歳

魅力伝える大山の語り部



 ○…生まれ育った大山の歴史・文化に関する講演会に講師として招かれた。高校教諭だった昨年10月、大山小学校の校長に依頼され、同校で行った講演会が「分かりやすい」と好評で、今回の”再登板”となった。当日は、大山詣りをする江戸時代の人々の様子を、納め太刀や行衣などを持参して解説する予定。「脈々と受け継がれる山岳信仰の変遷をしっかり伝えたい」と意気込んでいる。



 ○…大山街道沿いの宿坊「おゝすみ山荘」の長男として生まれ、狂言や舞に親しんで育った。中学校ではテニス部で活躍。卒業後、将来を模索し出したころ、平塚江南高校での出会いがその後を決めた。制服廃止、民主化を目指す学園紛争の混乱期でも生徒一人ひとりの声を聞き、親身に進路指導をしてくれる恩師がいた。その姿に「自分も先生になろう」と決意。国学院大学を経て、大和市内の中学校へ赴任した。



 ○…県内の高校を増やす「百校計画」の影響から、1988年に中学から高校の教壇へ。伊志田高校で教鞭をとったこともあった。92年に父が亡くなり、37代目の先導師として宿坊を継いだ。教職を退いた現在は、登山客をもてなす一方、県内各地で講演や地域フォーラムなども行っている。「自分の知識がお役に立つのなら体力がもつ限り頑張りたい。お呼びがかかれば、どこへでも参ります」



 ○…母・妻・次男夫婦・孫2人の4世代7人で暮らす。どれだけ忙しくても、育ち盛りの孫が遊んでほしいとせがむ。そんな愛らしさに思わず表情もゆるむ。「歴史は時間とともに薄れてしまうものですが、次の世代にも大山の素晴らしさを伝えていきたいですね」。趣味は読書。歴史ものがとくに好きで、年に700冊を読む。本で知った歴史遺産に足を運ぶことも。「いくつになっても日々の勉強が大切。じゃないと、人に語ることはできないから」。郷土の魅力を次代へ、講演会も全力投球で臨む。

 

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