市内田中の成田賢徳(よしのり)さん(81)宅でこのほど、53年前に調査された伊勢原町(当時)の住宅地図が見つかった。成田さんはこの地図について「当時の産業や経済の実態をとらえた、ダイジェスト版のように思う」と、昔の伊勢原の様子を回想しながらページをめくる。
住宅地図は、表紙に「伊勢原町家屋名入地図」(初版)と書かれていて、茅ケ崎の人物と伝記研究所が、1966(昭和41)年6月に調査し発行したもの。明細地図社(藤沢市)が編集発行する「明細地図」の伊勢原町第1号は、67(昭和42)年11月15日に発行されていることから、家屋名入地図はこれよりも前に作られたものとみられる。
87ページにわたる地図はすべて手書きで、地区別に詳細な住宅地図が記されているほか、付録として伊勢原町の沿革や、地区ごとの区長名、ゆかりの人々や受賞者など功績があった町民のエピソードなども集録されている。そのほか表紙には、「自動式電話開局記念」「付録 買物・取引のしるべ 伊勢原町商工名鑑」などの記載とともに、当時の企業や商店などの広告が記載されている。
成田さんは元市議会議長。現在は、農家で母家の隣の隠居家を片付けていた際に、偶然発見した。町議や区長会代表などを務めた成田さんの父親が、所有していたものではないかという。「掲載されている商店の広告を見ると、当時のまちのにぎわいが感じられる。とても懐かしいです」と話す。
66年の「広報いせはら」(縮刷版)を見ると、人口は3万3429人(昭和41年6月1日時点)で、現在の3分の1程度だったことが分かる。郷土史などを扱う、伊勢原市教育委員会教育総務課の歴史文化財担当、立花実課長は、「昭和30年代から40年代は、高度経済成長期のはしりで、時代が大きく変わっていく時期。一般家庭には住宅地図の必要性がない時代だったことを考えると、功績のあった人たちを顕彰する意味あいが強かったのではないか」と分析。「地図は手作り感があって面白く、その当時のまちのあり方が見える、珍しくて貴重な資料」と話した。
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