市内神戸の伊勢原市環境美化センター職員、鈴木浩一(ひろかず)さん(59)がこのほど、粗大ごみとして搬出されたコートハンガーや棚などを再利用して、足踏み式の手指消毒装置を製作した。装置は同センター1階入り口や、12月2日からは市役所1階ロビーにも設置され、訪れた市民らが利用している。
鈴木さんは、粗大ごみの収集や受付業務などを担当している。同センターではこれまで、手で押すボトルタイプの消毒液を設置していたが、粗大ごみを搬出するため受付に来た女性や高齢者などが、手の甲を使って消毒液を使用する姿を見たことで、鈴木さんは「抵抗がある人がいる」と足踏み式装置製作のアイデアを思い付いたという。
装置はこれまでに5台製作。すべて鈴木さんの手作りで、粗大ごみとして出されたシステム机のフレームや健康器具の土台、コートハンガーなどさまざまな素材を再利用。すべてが異なる仕様で、自転車のチェーンやバーベキュー用の鉄板を切ったり、ジャンプ傘のバネを再利用するなど創意工夫がされている。
鈴木さんは、20歳代のころに機械の整備士として従事していた経験や、趣味のバイク整備などの技術を生かして、噴射する量を適量に調節できるようにしたという。「職場の仲間の協力がなければできなかった」と話し、「粗大ごみがリサイクルできることを少しでも感じてもらえれば。装置に適した素材が出てきたらまた作りたい」と語った。
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