学びの大切さ次世代に

　○…高部屋小学校や大田すこやかスポーツ広場をはじめ、市内外で３歳から小学生を対象にサッカーを指導する。９月23日（金・祝）には同広場でアルゼンチン大使館の職員を招き、大会を開催する。「今年で８回目、市内外の６年生と３年生が８チームずつ参加する。大使館の方からトロフィーを渡してもらっています」と話す。

　○…ブエノスアイレス出身。生まれた子どもにサッカーボールをプレゼントするほどで、子どもの頃からサッカーと関わり、19歳でプロに。「プロと言っても日本の３部のようなもの。サッカーだけでは食べていけなかった」と振り返る。食品などを販売するスーパーマーケットを経営し、実業家としても成功を収めた。「子どもの頃は大統領になって国民を助けたいと思っていた。国は素晴らしいが治安が悪い。夜に散歩なんてできないほど」と笑う。

　○…18歳で日本人女性と結婚。１男１女を授かった。26歳で現役を引退。90年から日本で生活をはじめた。「子どもの教育のために日本で暮らすことを決めた。人生で勝つためには勉強が必要だからね」。来日してからは小・中・高校生にサッカーを指導。２０００年にアルゼンチンフットボールクラブを創設した。パス、ドリブル、シュートなどすべてにおいて細かいタッチが大事だという。「勉強と同じで、細かい事ができないとダメ。きちんと学べば伸びます」と断言する。

　○…空いた時間もサッカー観戦や、コーチングなど勉強を欠かさない。いつまでも元気でいられるようにと、食生活にも気を配る。「80歳まで健康でサッカーを教えたい。それと５、６年のうちにクラブからプロサッカー選手を輩出するのが夢」ととびきりの笑顔を見せた。藤沢市在住。