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公開日:2023.02.24

日向薬師宝城坊
ネットで支援呼びかけ
文化財やナラ枯れ対策に

  • 国指定重要文化財の獅子頭

  • 二次元コードからアクセス可

 日向薬師宝城坊(内藤京介住職)がこのほど、寺林のナラ枯れ対策や国の重文「木造獅子頭」の修繕に充てるための費用を確保するため、クラウドファンディングを開始。支援を呼びかけている。期間は3月31日(金)まで。

 同寺では県の天然記念物に指定されている境内の木々が、ナラ枯れによって枯死するなどの問題が5年ほど前から起きている。

 ナラ枯れはカシノナガキクイムシが媒介する「ナラ菌」によってコナラやシイ、カシ類などブナ科の樹木が集団的に枯れる伝染病。寺によると、対策として県から補助金が出ているが費用の3分の2は寺が負担しなければならず、毎年およそ200万円がかかる。

 また国指定重要文化財の「木造獅子頭」は法要や祭事の際に行列の先頭に立ち、舞の面として使われていたもの。干ばつの時には雨ごいの行事に使ったと伝えられている。外観での雄雌の区別はなく、左右一対で残るのは貴重とされている。経年劣化による損傷が進んでいるため、早急な修繕が急務で、修繕には600万円ほどかかると想定されていて、補助金が国から2分の1、残りを県と市、寺で負担しなければならない。

コロナ禍で厳しい財政

 しかし同寺は檀家がなく、拝観料などを収入源として寺の維持管理を行っているが、コロナ禍で参拝者が減少し財政が厳しい。そこで文化庁のアドバイスなどもあり、クラウドファンディングによってナラ枯れの被害にあった木の伐採や獅子頭の修繕費用の一部を、支援してもらうことを決めた。

クラウドファンディングを活用

 クラウドファンディングはインターネットを通じて活動や目標を発信し、その思いに共感した人から資金を募る仕組み。クラウドファンディングはレディーフォーがサイトを運営。「日本三薬師日向薬師宝城坊 美しい境内と寺宝『獅子頭』を守りたい」というタイトルでプロジェクトを開始した。目標金額は250万円を設定。支援コースが5千円から100万円までの13コースで、目標達成の際のリターンには限定のご朱印帳や専門ガイドによる解説がついた拝観体験などを用意。特別なリターンが不要な「応援コース」もある。

 内藤住職は「皆さまが安全に参拝していただけるよう、また貴重な寺宝を次の100年につなげていけるよう、費用の一部として支援を賜れば幸いです」と話している。

 支援の方法は二次元コードからアクセスするか、同寺に直接届けることも可。問い合わせは日向薬師宝城坊【電話】0463・95・1416へ。

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