伊勢原 人物風土記
公開日:2023.12.01
「蝉凧を作る会」の会長をつとめる
成田 修さん
板戸在住 71歳
「為せば成る」が信条
○…大宝寺の和尚が発明した蝉凧。寺の裏にある竹藪の竹を利用して何かできないかと考えたところから始まり、戦前戦後を通して伊勢原の地でよくあげられていたという。戦後、次第に衰退していく中で、伊勢原の郷土玩具の一つである蝉凧を末永く伝えていこうと会が立ち上がった。「会長になり3年、現在会員は8人で最高齢は93歳。毎月第二日曜日の午後1時からお寺で製作している。見学も自由なのでぜひ遊びに来て」と話す。
○…蝉凧との出合いは7年前。道灌まつりで会が蝉凧の周知のために出店していたのを目にしたのがはじまり。会員募集のチラシを見て、翌週には入会していた。「上杉鷹山の言葉、『為せば成る、為さねば成らぬ…』が座右の銘。なんでも初めから無理だと決めつけず、興味をもったらまずやってみることが大切」とほほ笑む。
○…会津若松の出身。鉄道学校入学を機に上京する。卒業後、小田急電鉄に入社。信号係や指令所のほか、伊勢原駅にも勤務した。モノづくりが趣味で、革細工からはじまり、「バランスとんぼ」「竹とんぼ」「ビーズ人形」「とんぼ玉」など部屋のいたるところに飾ってある。「上杉鷹山の言葉を掛け軸にするつもり。材料はアマゾンで取り寄せ済み」と嬉しそうに話す。
○…凧作りで難しいのは、骨組みである竹を曲げるところ。厚すぎても薄すぎても駄目で、ミリ単位の調整が必要な繊細な作業を要する。「無心になれるのが良い。好きなことをやっているからストレスもない」と笑う。高齢化が進み年々会員も減少。「会員が増え、互いに技術を切磋琢磨できるようになるのが理想。初めに蝉凧を考えた和尚さんは凄い。この伝統を皆で継承していかないと」と力強く語る。
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