伊勢原 人物風土記
公開日:2023.12.15
「県立伊勢原射撃場」の代表理事を務める
高橋 義博さん
横浜市在住 75歳
立場の弱い人を助けたい
○…ひとり親家庭を対象に12月24日(日)、伊勢原射撃場で行う食品の無料配布会で5kgの米110世帯分を寄贈する。射撃場のレストランで使う食材を無駄にしないために「10円食堂」を計画。市の担当者に相談すると配布会に米を寄贈する提案があった。「自分も両親が離婚した家庭で育ったこともあり、地域に貢献したいという思いが以前からあった。理事会の承認を得ることができたので、今後も継続して支援していきたい」。
○…藤沢市出身。銀行員の父に育てられ、当時1日100円をおかず代としてもらい、安価なサバの干物やみそ汁を自炊していた。「皆が穴の開いた服に布を充てて着る時代だった。そうした子ども時代の想いがあるから、困っている人を助けたいという思いが強い」と話す。父親が趣味で猟をしていたため、小学校1年生の頃からカモを獲ったりし、大学に入ると射撃部に所属した。
○…卒業後、伊藤忠商事に入社。木材部に配属され、2年間ボルネオに赴任した。帰国して1年後に独立、木製の食器類を扱う会社を立ち上げた。同射撃場を指定管理で運営する県射撃協会には30代で入会。クレー射撃に出合うと、メキメキと実力をつけ、国体や世界選手権に出場するまでに。県のスポーツ表彰も数えきれないほど受賞した。現在はリゾートホテルなどを運営する会社の会長。「息子が会社で経営を学んでいる。射撃で五輪に出たいと言っているよ」と嬉しそうにほほ笑む。現在は県射撃協会の会長も務める。
○…若くして愛娘を亡くした経験があり、「夜景はキレイだと皆思うだろうが、陰では人それぞれにいろいろな問題があるもの。ひとり親の支援など、残された人生でできることは何でもやりたい」と力強く語った。
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