2025年度神奈川県県民功労者表彰を受賞した 吉川 芳郎さん 田中在住 83歳
暖簾で商売はできない
○…団体や地域の活動などを通じて社会福祉、保健衛生、産業・経済、教育・文化など長年にわたって優れた業績を上げた人物に贈られる県民功労者表彰。県木材業協同組合連合会会長等を歴任するなど、木材業の発展に尽力したことなどの功績が認められた。「これまでの活動が認められたようでとてもうれしい」と喜びを語る。
○…生まれも育ちも伊勢原。家業は祖父が1907(明治40)年に創業した(株)遠洲屋。理数系の勉強が好きで、当時勢いがあったダム建設の技術者になりたかったが、家業を継ぐため大学の経済学部に進学する。しかし入学まもなくして父が他界。卒業後、深川の木材問屋での奉公を経て、父の跡を継いだ母親を助けるため伊勢原に戻る。「父とはいわゆる帝王学はもちろん、仕事の話はしていない。積極的に現場に出て、独学で必死に覚えました」と笑う。
○…26歳の時に会社を引き継ぎ、3代目社長に就任。県木連では4年間の副会長を務めた後、2017年から2期4年会長を務める。林野庁のほか、県担当課とはコミュニケーションを密に取り、導入されたばかりの森林環境税では県との考え方のすり合わせをし、国産木材のPRなど業界の振興に尽くしてきた。会長として全国大会、植樹祭などにも多数参加。「組合に入り、多くの人との出会いが財産になった。また外の世界と関わりを持ち『井の中の蛙』ではダメなことを身をもって体験した。楽しみは自分で見出すもの」
○…「暖簾で商売はできない」。大学生時代にワンダーフォーゲル部で培った適応力を武器に、今なお現役で社長業に勤しむ。「木材は部分的に補修できるのが利点。修理しながら使う文化を後世に残していかないといけない」と力強く語る。
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