大山阿夫利神社(目黒仁宮司)下社の客殿と授与所、茶寮石尊の改修工事がこのほど完了。6月30日に内覧会が開催され、設計者の堀部安嗣氏と礒健介氏、施工を手掛けた(有)内田工務店(市内岡崎)の内田幸夫代表らが出席した。
「令和の大改修」と銘打って行われた今回の改修事業。3年前から「繋がる」をテーマに企画構想し、昨年文化庁の支援を受けて始まった。日本遺産大山詣りの歴史と伝統を過去から現在、そして未来へと「繋ぐ」とともに、地域との連携、新たな観光の礎となる場所となることをめざして工事が進められてきた。
さまざまな「繋がり」への思いを込めた今回の大改修。2019(令和元)年に参拝客の休憩場所としてオープンした「茶寮石尊」も堀部氏の設計。礒氏は昨年、同改修事業の一環として行われた石尊の改修を堀部氏と手掛けている。今回は厨房を増築したほか、本殿へと続く客殿を改修し、御守などを授ける授与所も改修された。
特に客殿は全てヒノキを使用。設計者によれば、拝殿に向かう祈祷を受ける前の心を落ち着かせる空間、自分と向き合う時間を作るような空間になっているという。さらに、すべて無垢の木を使用していることから、表情が一つひとつ違うところが大山の自然を表しているようなデザインになった。
改修にあたって廃棄物を出さないよう既存の床や壁、天井をなるべく壊さないようにしたという堀部氏。「山の上で大量のゴミを出すことに向き合えなかったので、無駄にせずどのように空間を刷新するかを重要視した」と話す。同神社の目黒久仁彦権禰宜は、「人と人のつながりが希薄になる中、神社が人々の拠り所としてあり続ける事を願い、大山の歴史と文化を後世につないでいくための改修。世界が分断し戦争などの不幸な事件が多発する中、我々は阿夫利神社、大山を守っていかなければいけないと神職としての使命を感じている」と語った。
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