かつて綾瀬で生産されていた「高座スイカ」。栽培の手間から姿を消した「幻の果実」を復活させるための取り組みが4年目を迎え、今年も旬の季節を迎えている。
高座スイカは「富研号」という品種で、1949年に奈良県の農業指導者の協力により、綾瀬などで栽培が始まった。53年頃をピークに綾瀬の特産品として東京・横浜の各市場で人気を博していた。
奈良県で復活した府県号の苗を市が譲り受け、かつて同スイカを栽培していた市内農家の石井榮さんが試験栽培に乗り出した。2013年に5軒の農家が集まり、石井さんが代表を務める研究会を発足した。
「皮の縞模様が薄く、甘さがあるのが特徴」と石井さんは話す。「8月に欲しい」という消費者の要望に応え今年は苗植えの時期をずらし、これから収穫のピークを迎えるそうだ。
「もっと若い生産者が入って、栽培が活発になれば」と、今後の展望を話す石井さん。高座スイカはグリーンセンター綾瀬などで購入できるほか、8月の朝一番徳の市でも販売される。
問合せは市農業振興課【電話】0467・70・5622へ。