参議院で5日と7日に、いずれもれいわ新撰組で重度障害者の木村英子議員(54)と、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の舩後靖彦議員(62)がそれぞれが所属する委員会で初の国会質問に臨んだ。介助が必要な議員が介助を受けながら国会で質疑したこととそれに対応した国会について、市内在住の当事者2人に話を聞いた。
寺尾釜田に住む西川和朗さん(70)は28歳で交通事故に遭い、寺尾本町に住む金子寿さん(59)は体操選手だった18歳の時に鉄棒から落ちて介助が必要な1級障害者になった。いずれも1978年1月の事故だった。頸椎損傷で車椅子での生活を余儀なくされた2人は「国会で起こっていることが県や市区町村までおりてきてほしい」と、期待を寄せる。
2人は綾瀬市身体障害者福祉協会の会長と副会長でもある。「128人がピーク。現在は65年の設立当時と同じ80人まで会員が減った」障害者は減らないがインターネットの普及や福祉サービスの向上で「会員であることのメリットが薄まった」と分析している。
市役所や議会棟、福祉プラザが建設される時は自ら市役所に働きかけバリアフリー化にこぎつけたが「知らないうちに設計された」建物には障害者への対応不備が目立つ。それでも「障害のない市民の立場にもなって発言するよう心掛けている」と胸の内を明かす。
2人は異口同音に「社会には目に見えるバリアフリーと心のバリアフリーがある。今回のことが障害者の日常に関心を寄せてもらうきっかけになってほしい」とも話してくれた。