あやせ文化芸術祭の菊花展が11月5日から9日まで市役所7階の市民展示ホールで開催され、今年度の入選作品など約180点の鉢植えの菊が展示された。白や黄色、赤紫など鮮やかに咲き揃う菊花を目当てにやってきた市民が深まる秋を楽しんだ。
綾瀬菊花会の鈴木輝夫さんによると、今年は長引く梅雨と夏の猛暑、台風、秋の長雨など例年になく栽培環境が厳しい年だった。そのため開花時期が例年より1週間ほど遅く、11月3日の審査当日に向けた花作りに苦慮する愛好家が多かったという。
そんななか最高賞にあたる市長賞を受賞したのは過去2度の受賞歴がある吉岡東の土屋和民さん(74)。審査当日に三本立厚物の「太平の銀峰」に白い大輪を咲かせた土屋さんは「65歳で仕事を引退してから本格的に始めたが今年はこれまででいちばん難しい年だった」と話していた。
土屋さんは8年間にわたり落合小学校の5・6年生に菊の栽培を指導している。その土屋さんは「児童と同じ会場で賞を頂けて嬉しい」と、同小の児童が出品した12点の「ジャンボ福助」に目をやり「よく育っている」と目を細めていた。
綾瀬菊花会による菊花展は今年が53回目。会員数は全盛期の半数まで減り高齢化も進むが、毎年この時期を楽しみに活動を続けている。