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平塚版 公開:2016年9月22日 エリアトップへ

地元ゆかりの女性後世へと語り継ぐ 虎女の悲恋 600年ぶりに復曲 「湘南ひらつか能狂言」の舞台で

経済

公開:2016年9月22日

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「曽我物語図絵」の虎女
「曽我物語図絵」の虎女

 「第6回湘南ひらつか能狂言」が11月26日、中央公民館で開催される。今回は、日本3大仇討物語のひとつである『曽我物語』から、平塚にゆかりのある悲恋のヒロイン「虎女(とらじょ)」の物語が約600年ぶりに復曲される。こうした平塚ゆかりの人物に焦点があてられるのは「地元に愛着を持ってほしい」という思いがあるからだ。

 隔年で実施される湘南ひらつか能狂言。前回の平塚市真田に城を築き源頼朝の挙兵に応え25歳の若さで散った「眞田」は好評を博した。今回取り上げる『曽我物語』は、曽我十郎祐成(すけなり)・五郎時致(ときなり)の兄弟が、過去に彼らの父親を討った工藤祐経を、富士の裾野の巻狩りに忍び込み17年来の仇討ちを遂げる話だ。殺された主君のために47人の赤穂浪士が仇討つ『忠臣蔵』が江戸時代に登場するまで、日本で最も有名な仇討ち物語として名を馳せ、物語の様々な場面が能曲などで演じられている。

 この『曽我物語』に一層の深みを持たせているのが、兄・曽我祐成の妻「虎女」という女性だ=写真左上。平塚市山下の長者屋敷で生まれ、大磯町の宿場で遊女として働いていた。鎌倉時代の遊女は、男の話を聞いたり知恵を授けたりと、美と教養を兼ね備えた知識人だった。祐成とは17歳の時に出会い、恋に落ちる。曽我兄弟が仇討ちを遂げたが処刑されたことを伝え聞き、19歳で出家を決意。以降仏門に仕えながら64歳で死去するまで夫・祐成のことを一途に慕い続け、『曽我物語』を全国に伝え歩いたと言われている。彼女の一途で悲しい恋の結末に日本中が感動し、江戸時代の浮世絵師、歌川広重の「曽我物語図絵」にも描かれている。

 復曲されたのは、虎女が曽我兄弟の墓所のある井出の里を訪ねる「伏木曽我」。虎女が墓所で仮寝していると、祐成の霊が現れ不遇な人生や本懐を遂げたことを告げる。室町時代の台本謡本(うたいぼん)は現存するが、能の所作や装束の資料は少なく詳細は謎に包まれていた。これを平塚出身で能楽の国重要無形文化財保持者の加藤眞悟さんが「平塚にゆかりのある人物を知ってほしい」との思いから、当時を良く知る学者などの知見を得て考証し、約600年ぶりに復曲した。

 虎女の平塚ゆかりの地は数多く残っている。大磯町史編さん室で虎女を調査していた島崎直人さんによれば、虎女が生まれた場所とされる市内山下の「山下長者屋敷跡」や虎女が祐成への追慕の念を断つために恋文を燃やした「虎女の文塚跡」などが挙げられる。

 「七騎落」「眞田」「伏木曽我」と、地元ゆかりの人物を取り上げる理由に能狂言実行委員会の石川幹夫委員長は「地元の偉人を知ってもらい、愛着を育んで欲しい」と期待を寄せる。

 チケットは中央公民館で発売中(2千円〜)。問い合わせは、平塚市まちづくり財団【電話】0463・32・2237へ。

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