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公開日:2013.06.01
増加する大腸がん 治療方法とは
山近記念総合病院 井上康一 副院長にインタビュー
日本人に増え続けている大腸がん。20年間で患者数は約2倍になり、女性の死因では2004年から胃がんを抜いて一番多くなっている。早期発見の重要性と治療方法について、山近記念総合病院の副院長で消化器がんを専門とする、井上康一医師に話を聞いた。
―大腸がんは小田原でも増えていますか
私は山近記念総合病院に勤務し18年になりますが、大腸がんの患者数は約2倍になりました。現在は年間約700人に大腸内視鏡検査を行い、約100人の患者さんを治療しています。多くは50代以上の人ですが、20代、30代の若年の人も年間10人ほどおられます
―大腸がんが増え続けている原因としては、どのようなことが考えられますか
一つに、日本人の食生活が欧米化したことがあげられます。食物繊維の摂取量が低下し、肉類などの高脂肪食品を食べる回数が増えたことが影響しているのではないかと言われています
―どのような人がかかりやすいですか
家族に大腸がん患者がいる場合や、大腸にポリープがある人は、大腸がんになる確率が他の人よりも高まります
―大腸がんはどのようなきっかけで見つかることが多いですか
進行がんの場合は便通に変化を感じます。急に便秘になったり、逆に下痢をしたりするようになります。貧血をきっかけに検査を受けられる方もいらっしゃいます。また、小田原市や職場、人間ドックなどで行う便潜血反応の検査をきっかけに発見されることも多いです。小田原市では現在、便潜血反応で陽性だった人のうち、7%の人に大腸がんが、43%の人にポリープが見つかっています。陽性反応が出た場合、医療機関で大腸内視鏡検査を受け、詳しく調べる必要があります
―早期発見をすれば完治しますか
患者数が多い大腸がんですが、5年後の生存率は70%と、他のがんに比べ治りやすい点も特徴的です。早期のがんであれば、大腸内視鏡治療が可能です。当院では、年間で約30人の患者さんに内視鏡治療を行っています。また、周囲の臓器に浸潤していなければ、傷口が小さく術後の回復が早い「腹腔鏡(ふくくうきょう)」による手術で取り除くことができます。腹腔鏡は体の表面の皮膚に5〜12ミリの穴を開け、そこからカメラや専用の電気メスを挿入して行う最新の手術です。従来の開腹手術に比べ傷も小さく、体への負担が軽いのが特徴です。当院では手術を受ける患者さんの約半数にこの腹腔鏡手術を行っています
―抗がん剤による治療効果はいかがでしょうか
抗がん剤の種類も増え、選択の幅が広がったことから、生存期間が伸びる傾向にあります。早期発見であればあるほど生存率が高まり、治療に際しても体への負担が軽くてすむので、市や職場、人間ドックなどの検診をぜひ利用していただきたいです
―山近記念総合病院では、消化器の疾患は外科で診察するという特徴がありますが
多くの医療機関では、消化器科、内視鏡科、外科、腫瘍内科と、一つの疾患に対し、何人もの医師が診療することがあります。当院では「お腹が痛いは外科で診る」をモットーにしています。1人の主治医が1人の患者さんに対し一貫して、責任をもって最善の治療方法を選択しています
山近記念総合病院
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小田原市小八幡3-19-14
TEL:0465-47-7151
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