港南区・栄区 人物風土記
公開日:2025.12.25
開所55周年記念公演を行った東京沖縄芸能保存会鎌倉支部の師範を務める
児玉 泉さん(本名:小林 泉さん)
桂町在住 66歳
踊る喜び、噛みしめる
○…300年ほど前の琉球王朝時代から伝わる沖縄舞踊を現代に伝えるため、栄区を中心に活動して20年以上。11月に栄公会堂で行われた鎌倉支部の記念公演は約200人が集まり、大盛況に幕を閉じた。現在94歳の母が55年前に立ち上げた同支部の師範として「無事に終えられて、ほっとした」と安堵の表情を浮かべる。「ステージに立つのは、何歳になっても楽しい」と笑顔を見せる。
○…幼い頃からクラシックバレエを習い、沖縄舞踊はたまに母が主催する支部に顔を出す程度。20歳からは会社員とバレエダンサーの二足の草鞋で、多忙な日々を過ごす。しかし、30歳を前にバレエの仕事が減少。同時期に結婚・出産が重なり、踊りから離れたが、子育てが落ち着いた30代半ば頃に母の下で沖縄舞踊を習い始めた。「自分にとって一番身近で気楽にやれるから」と振り返る。その後は実力をつけ、40歳からは講師として、母と支部の運営を続けてきた。
○…母でもあり、師でもある治子さんの背中を見続けてきた。印象に残っているのは自身が迷った時にいつも言ってくれた「あなたの好きにしたら良いよ」。バレエと会社を両立させる時など、自身の選択に自信が持てたという。「結局後悔することもあるけどね」とおどけつつ、感謝を語る。
○…「ガマ(腰)を使って、安定した動きを見せるのが難しい」と沖縄舞踊の特徴を語る。10年ほど前からは師範として支部の責任を負う立場に。現在、高校生から80代まで幅広い教え子が在籍している。今後の目標は、生涯現役。「バレエの時から、人前で踊る楽しさは変わっていない。『悔いなし』と清々しく引退した母のように、やりきりたい」と踊り手としての決意を示した。
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