城下で弾ける馬上の笑顔 自然・馬・人の会
小田原城二の丸広場で乗馬に興じる子どもたち。馬上で、自然と笑顔がこぼれる。「自然・馬・人の会」が取り組むのは、乗馬を通した人と人との交流だ。
「自然・馬・人の会(桜井広利会長)」は、自然と密接な関係を持った生活を、との思いから学習塾を経営する桜井さんと小学校で障害児を受け持っていた中村悦子さん、現市長の加藤憲一さんが1996(平成8)年に立ち上げた。
中村さんは仕事柄、障害児にとってレクリエーションの場が少ないことを危惧し、動物が間に入ることで子どもたちの心をほぐしてくれるのでは、と会で乗馬教室の開催を企画した。
馬は片浦の「サドルバック牧場」から4頭借り受けている。「最初は怖がり、泣いて乗れない子も、最後は楽しくて、今度は降りたくないと泣き出す子も」と笑う。馬上から伝わるリズミカルな振動が、心地良く眠ってしまう子もいるそうだ。「脳性まひの子は普段、過緊張のため体が強張って、身体が疲れてしまっているが、慣れてくると緊張がほどけて楽になる子も。馬上でだらしなくなっているお子さんを見て、喜んでいるお母さんもいます」。
第一日曜に乗馬体験可
乗馬は障害児に限らずだれでも可能。乗馬の際は、両脇にそれぞれ1人、引手に1人の計3人の大人がサポートするため、小さな子どもからお年寄り、視覚・聴覚に障害を持つ人でも楽しめる。
大学時代馬術部に所属していたという山科康寛さん(市内栢山)は、定年退職後、ボランティアとして会の活動に参加している。「子どもたちが馬に乗るとすごく笑顔になるので、自分も参加が楽しみ」とうれしそう。馬が結んだつながりが、新しい笑顔を生んでいる。
乗馬体験は、毎月主に第1日曜日に小田原城二の丸広場で開催。5月のみ明日11日(日)の開催となる。6月は小田原球場隣の上府中公園で1日(日)。時間はそれぞれ午前10時から午後3時50分。雨天の場合は中止。当日の飛び入り参加も可。なお費用は一家族年間1万2000円で3回(3カ月)の騎乗が可能。
問合せは「自然・馬・人の会」中村さん【電話】0465・36・9468(午後7時以降)または【メール】na-nhp@wb3.so-net.ne.jp。