11月に開催された神奈川県中学生選抜ジュニアバドミントン大会で、橘中学校を優勝に導いた顧問の三島元教諭(55)。在籍した3校で継続中の県大会出場記録を、「22年連続」に伸ばした。その指導力を求め、週末には県内外のチームが合同練習をしにやってくる。
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「なり手がいなかったから引き受けただけ」。国府津中学校に赴任した33歳の時、バドミントン部の顧問に就任した。自身のスポーツ歴は中学時代にプレーした野球のみ。バドミントンは馴染みがなく、ルールも知らなかった。
だが、元々スポーツ新聞社で働くことを志していたほど無類のスポーツ好き。「フィギュアスケートでも駅伝でも、どうすれば勝てるのか作戦を考えながら観ることが楽しい」。顧問として指導に没頭するのはもはや必然で、書籍などを読み漁ってはバドミントンの知識を詰め込んだ。
個々に応じた指導
「子ども達に助けられた」と、就任1年目から県西地区を勝ち抜いて県大会に出場。結果は振るわなかったが、翌年も、その翌年もまた出場を果たして県の常連に名を連ねるようになると、次第に他校との合同練習の機会も増えた。
しかし、強豪から学ぶ場を得られるようになっても、「ほとんどが中学から競技を始める初心者ばかり。個性や能力にあった練習メニューを考えることが大切」と、心掛けたのは個々を見つめた指導。試合に負けて悔しそうにしている時など、やる気を引き出すための伝え方やタイミングにも気を配った。また、生徒には漠然と練習せず、常に考えることを意識させている。
頑張る気持ち育む
朝6時に出勤し、ひと仕事片づけると朝練。数学科教諭として一日の授業を終え、職員会議がないかぎり下校時刻まで指導にあたる毎日で、休みはテスト期間と年末年始のみ。そんな生活が20年以上続く。「家のことは何もしないから妻は呆れている。父親としてもダメ」と智将も苦笑い。
だが「生徒には一生懸命やることで頑張る気持ち、勝つことで努力の大切さを学んでほしい」と、家族サービスに精を出す日はもう少し先になりそうだ。
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