食を通じて市民の健康に貢献したいという共通目的のもと、小田原短期大学(吉田眞理学長)とイトーヨーカドー小田原店(伊藤誠朗店長)が連携した企画「健康レシピ発表会」が1月末から始まった。
両者の出会いは昨年のイトーヨーカドーが健康や美容をテーマに開催した産学官連携のイベント。企業や行政に加わり、小田原短期大学が参加したことがきっかけだった。
同大学の食物栄養学科では、研究の一環として学生らが継続的に健康を意識したメニューを考案している。これを知った同店は、店内を研究発表の場に活用することを提案。買い物客に対する健康提案の機会ともなり、「食による地域貢献」という観点で思惑が合致したことで、実現に向け話し合いを進めてきた。
学びの成果を発信
1月20日から不定期で始まった企画「健康レシピ発表会」は、1階の食品売場の一角に設けられた調理実演コーナーを活用。ゼミの学生らが「健康」をテーマに考案したレシピをもとに調理した試食を、午前と午後の2回、買い物客に提供する。
大勢に見られながらの調理や大量の料理を用意すること、作った料理を目の前で食べてもらい感想を聞くことなどは、通常の授業では経験できない。当初、緊張や戸惑いを感じていた学生らも、終わった後は「誰かに食べてもらうことがうれしかった」と笑顔を見せ、伊藤店長も「お客様を呼び込むことには苦労していたようだが、初々しく一生懸命な姿が新鮮に映った」と満足顔。ゼミ講師の内田由佳さんは「提供するまでのプロセスを考え、学びの成果を発信するいい機会をいただいたと思う」と話すなど、順調なスタートを切った。
食物栄養学科の稲葉佳代子学科長は、学生を1日拘束することの調整が大変だったという。それでも「学生が社会人になった時、プラスにつながるのでは」と前向きに捉え、「この取り組みから、学生が考案したメニューが、一品でもヨーカドーの常設メニューになればうれしいですね」と話した。
全国各地に展開する(株)イトーヨーカ堂でも、学生と連携した企画は「非常にレアなケース」。伊藤店長は「試験期間もあって定期的な開催は難しいかもしれないが、健康を切り口に、年間を通じて続けていきたい」と今後の抱負を語った。
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