小田原市を中心に活動する神奈川オーシャンドッグス(以下KOD)が、3月24日に開幕する第15回都道府県対抗全日本中学生男子ソフトボール大会に出場する。
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「ようやくここまで来た」と吉田智久代表が話すのには訳がある。中学生男子のソフトボールチームは全国的にも少なく、現在県内ではKODと川崎・横浜の中学校2校の計3チームのみ。小学生で始めたソフトを中学で断念、他競技への転向を余儀なくされる子どもも少なくなかった。自身の子が同じ道を歩んだ吉田さんは「続けたい子も多い」と受け皿作りを決意。当初5人の船出だったがSNS等を通じ選手が集まり、昨年日本ソフトボール協会へ登録。そして今春、全日本への参加が決定し、初の公式戦デビューまでこぎつけた。
現在10人で活動するKOD=写真=は毎週末に全体練習を行う。平日は体力づくりに繋げようと、各々が中学校で野球や陸上部等に所属し、2足のわらじを履く選手が多い。対戦相手が乏しいため、練習や試合のために県内の高校や他県に出向かなければならず、決して恵まれた環境ではない。だがそこはソフトボール好きの集団。「試合ができる事が嬉しい」と、感謝の気持ちで前を向く。
永嶋琉聖主将(千代中2年)は「守備で盛り立て、まずは一勝を」と意気込む。「人数が揃ったら作ろうな」と励まし合い、念願叶って新調したユニフォームに袖を通し、第一歩をしるす時がきた。