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SDGs(エスディージーズ)と私立学校地域で実践する持続可能な社会づくりの担い手を育む教育づくり 新名学園旭丘高等学校
誰ひとり取り残さない社会を目指し、国連で採択されたSDGs。大きな目標に向かうために、私たちにできる事は何だろうか。一人ひとりの人間形成・発達保障・進路形成において重要となる青少年期教育。学び舎で、地域で、さまざまな活動に取り組む旭丘高等学校のリーダー水野浩理事長・学校長に話を聞いた。
今年創立118周年目を迎える本校は「新総合計画」のもと、建学の精神の今日的意味を問い続け、六者懇談会・生徒会を軸に全学一丸で学校づくり・教育づくりに取り組んでいます。一方、世界的には、各地での紛争や戦争、地球温暖化や災害、貧困や飢餓などが続くなか、2015年国連で採択された「SDGs(エスディージーズ)」(Sustainable Development Goals)―持続可能な開発目標―が注目を集めています。
その17項の目標の一つには「質の高い教育をみんなに」という目標が掲げられており、このこととかかわって「ESD」(Education for Sustainable Development)―持続可能な社会づくりの担い手を育む教育―が、世界と日本で注目され実践されています。
新しい年を迎えるにあたり、本校が取り組んできた様々な実践の意味を、これらSDGsやESDの世界的な動向に照らして捉え直してみたいと思います。
実践1久野川・山王川清掃活動
「SDGs」では「環境と人間」「環境と生命」の問題が大きな主題の一つとなっています。本校では、第2校地の総合学科で学ぶ生徒達が毎年、この地域の自治会によって進められている山王川・久野川一斉清掃活動に参加し、地域環境の保全活動や地域住民との
交流を深めています。最近では、収集されたごみが地域の環境リーダーによって堆肥化され、「いつも生活している里山の自然と再生の過程を知ってほしい」との思いを込めた宝物を学校に寄贈していただき、学校農地でリサイクル利用されています。
実践2ナガサキ平和学習の進展
「SDGs」の目標16は「平和と公正をすべての人に」です。昨年はローマ教皇が訪日して広島・長崎を訪問し、核廃絶を訴える発言をしました。
本校2年次のナガサキ修学旅行・平和学習は、【1】被爆地で被爆体験を聞く、【2】原爆資料館で被爆の実相を読み取る、【3】碑めぐり・ゼミを通しあの日をイメージする、【4】爆心地公園で平和宣言を行う、【5】平和学習を総括する集いを持つ、で構成されています。昨年はナガサキの被爆者下平作江さんの被爆体験を聞き、被爆の実相と原爆投下の社会的意味を学び、願いを50字メッセージに託しました。こうした取り組みで、「平和のうちに生存する権利」への自覚を育んでいます。
実践3無償教育の原点を知る
「SDGs」の目標第4項を構成する10個のターゲットの一番目は「2030年までにすべての子どもが無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする」。日本でも公立高校の授業料が無償化され、私立高校には就学支援金制度ができました。ただ教育には他にも多大な出費があります。私学では、入学金・施設拡充費など保護者の公教育の学費負担は深刻です。本校では長年生徒たち自身が私学助成署名活動に取り組み、行動を通じて国際人権規約や学習権などへの理解を深め、広く社会に目を開いてきました。
実践4地球環境の問題と向き合う
2019年の文化祭は、『結(ゆい)〜あなたの番です〜』というテーマで開催されました。これには、地域と学校を結び、自分たちが地域や日本社会、世界の様々な課題を解決する当事者となろうという意思が込められています。こうしたテーマのもと、1年生と3年生の2つのクラスがSGDsにかかわる現代の深刻な環境問題の一つであるマイクロプラスチック問題を取り上げて学習し、自分たちでもこの問題を意識しながら地域の清掃活動とプラスチック容器のリユース・リディユース・リサイクル活動に取り組み、展示発表を行いました。
実践5国際理解の学習を深める
中国最初の王朝・夏の初代皇帝禹王は、治水技術に優れた王として知られています。本校生徒が西安を訪問した際は同地の「碑林博物館」で禹王の功績を記した碑を、西安の生徒たちが訪日した時は大口の「福澤神社」で酒匂川治水神としている碑を読み解く共同授
業を行ってきました。日本の元号「平成」が禹王の業績について書かれた『尚書』・大禹謨の中の「地平天成」の言葉から取られていることを学び、中国生徒達も「自分の国の文化を見直すと共に、深くて長い中日両国の友好・交流の歴史がある事がわかりました」と感想を述べています。
実践6相撲部が地域の祭りに参加
沖縄インターハイ・茨城国体出場など戦績面で全国的レベルの実績を誇る相撲部は、南足柄の福澤神社祭、真鶴の竜宮祭そして曽我の傘焼き祭の「子ども相撲」などに積極的に参加しています。
地域のならわしや約束事、地域の文化を肌で呼吸し、頂いた恩を返すことなど、人としての成長のバネにもなっています。また「(相撲を)教えるものが(子どもたちから)教えられる」関係など生きた学びの場にもなっています。
〜創立120周年へ向けて〜
今年の干支は「ねずみ」です。その甲骨文字「 」は子の象形文字で、生命力を表します。私たちも、豊かな学力・進路を拓き、地域社会・国際社会との連携をさらに発展させ、「新総合計画」に基づく学園の将来展望を着実に拓いていきたいと考えています。
第一は、中国の姉妹校との新たな留学生制度創設にかかわる連携を更に進化させることです。この間、西安外国語大学附属西安外国語学校及び安陽市開発区高級中学との間で、日本への留学を希望する生徒たちのために西安と安陽の両校内に旭丘高校の教育課程を取り入れた「日本コース(仮称)」を設置するプロジェクトの契約書(西安)・協力協議書(安陽)を取り交わしました。既にこのプロジェクトの認可を受けるため必要な申請がなされていますが、中国国内の政策動向との関係で保留となっています。学園としては、中国やその他のアジア・太平洋圏の各国の学生が自らの希望する日本の大学に入学するために必要な日本語を中心とする学習を行う専攻科を設置する取り組みを進めていきます。高等学校の専攻科としての優位性を生かしながら小田原のまちの環境を留学生の学びと生活の場として行きます。また新設する国際クラスにも海外からの留学生を迎える計画を持っています。
第二は、「新総合計画」に基づく第1校地・第2校地の総合整備を更に進めます。今年4月には、久野・荻窪キャンパスに公式試合ができるサッカー場を有する全天候型の人工芝グラウンドが誕生します。4面のフットサルコートも設け、日常の授業と放課後のクラブ活動の場とすると共に、地域の少年サッカーの活動の場等として公開して行きます。同時に、このキャンパスの近隣に通常の授業とクラブ活動に使用する総合グラウンドとして借地グラウンドを取得・整備する計画も進んでいます。
両校地の総合整備にあたっては、SDGsを指針に、進路保障に意をかけ地域立・市民立の学校像のもと、地域環境と共生する持続可能な公教育機関としての発展を図っていきます。
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こどもタウンニュースけんせい4月18日 |
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