昨年10月の台風で大きな被害を受け、現在は撤去されている小田原駅東西自由連絡通路の大ちょうちん。小田原市は駅のシンボル再掲に向け、今夏の復旧を目途に市内の職人らと取り組みを進めている。
2003年、駅東西自由通路の開通を記念し、JR東日本改札前に設置された巨大な小田原ちょうちん。当時の原義明小田原商工会議所会頭をトップとする「私たちの自由通路をつくる市民の会」が記念品を掲出しようと、団体や企業に参加を呼びかけ完成させたものだ。
直径約2・5m、高さ4・5mで約260kgにもなるサイズで駅利用者から親しまれてきたが、昨年の台風で胴体の和紙部分が大きく破損。現在は市が倉庫に保管している。
観光客のターミナル、小田原駅の風景を復活させようと、市は3月議会でちょうちんの復旧を含むリニューアル事業として補正予算935万円を計上。再掲に向けた調整を進めている。市担当者は「気にかけている人も多く、一刻も早く復旧したい」と話す。
先代からこだわり継いで
復活事業に関わるのが「ちょうちん山崎」(市内飯田岡)の山崎高史さん(50)。大ちょうちんを製作した山崎勇さんの息子だ。一昨年に他界した勇さんと製作に携わった高史さん。「竹ひごの発注に1年、足場を組んで3カ月ほどかけて仕上げた。『小田原』の文字を書き上げるのに苦労した」と当時の様子を振り返る。
大ちょうちんはワイヤーこそ使っていたが、他の材料は小田原ちょうちんで使われているものを採用していた。「ちょうちん屋として、新たなものも本物にこだわりたい」と高史さん。
これまで市の担当者と高史さんで山梨まで出向き、和紙の素材選びや防水対策の検討を進めている。「大きな土台の確保など、大仕事としての課題はある。父親がいない不安はあるが、皆さんの協力を得ながら恥ずかしくないものに仕上げたい」と意気込みを話す。
市は東京五輪の開幕が予定されている7月下旬には完成させたいとしている。
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