横須賀・三浦 トップニュース文化
公開日:2026.03.13
能楽師清水氏
新作能で小栗の生涯
11月に芸術劇場で公演
横須賀製鉄所の建設をはじめ、日本の近代化の道筋を示した幕臣、小栗上野介忠順(おぐりこうずけのすけただまさ)の生涯と功績を、観世流能楽師の清水義也氏(52)が「新作能」で表現する。今年11月に横須賀芸術劇場大ホールでの上演が決定。小栗は2027年に生誕200年を迎え、NHK大河ドラマ『逆賊の幕臣』が放送されるなど大きな注目を集めている。今回の舞台では、難解で敬遠されがちな伝統芸能を、波乱万丈な小栗の物語を通じて継承していくことを目指す。視覚的な華やかさや演出に工夫を凝らし、幅広い世代に能の魅力を訴求していく考えだ。
舞台の概要を紹介する説明会が、3月7日に横須賀市田戸台の聖徳寺で開かれた。物語のあらましを伝えるとともに、能の歴史や楽しみ方、歌舞伎との違いなどをわかりやすく説いた。今後は市内各所で同様の説明会を催し、舞台の周知を図っていく。
横浜市在住の清水氏は、曾祖父と祖父も能楽師という家系。東京藝術大学音楽学部邦楽科を卒業後、同大学の非常勤講師を務めながら、年間100を超える舞台に出演している。
新作能『小栗』は、世に知られる小栗の功績をなぞるだけでなく、創作を交えて友人愛や夫婦愛を描く完全オリジナルストーリー。主眼に置くのは「人は誰のために生き、誰のために死ぬのか」という問い。現代に生きる旅人が、小栗と思しき霊と遭遇し、導かれるように菩提寺の東善寺(群馬県高崎市倉渕町)へ辿り着く。そこでは法要が営まれており、非業の死を遂げたとされる小栗が、唯一の後悔である妻との惜別を刻み、年に一度だけ再会を果たすという筋書きだ。舞台背景にスクリーンを使用して鑑賞を補助するなど、新たな試みも取り入れる。
清水氏を突き動かすのは、伝統芸能への危機感だ。小栗の歴史物語を演じることで、能の予備知識がなくても楽しめる土壌をつくり、独特の歩みや所作といった「静」の世界への没入体験を味わってもらう。茶道・華道・歌道の専門家とも連携し、日本文化の魅力を多面的に打ち出していく。
本公演は11月13日(金)の午後2時から4時30分の日程。これに向けた事前説明会を随時開いていく。直近では、4月21日(火)午後2時から大明寺(衣笠栄町)、5月30日(土)午前10時から聖徳寺(田戸台)で開催。参加者を募っている。
鑑賞券はS席1万円、A席8千円、B席6千円、C席5千円。寄付も受け付けている。
問い合わせは柳営文化研究会(清水会長)【携帯電話】090・3535・6998/【メール】yoshinari.shimizu@gmail.com
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