トルコ・イスタンブールを拠点に、現地の映画やテレビ、舞台などで活躍する女優の高野あゆ美さんが現在、小田原に滞在している。日本で仕事をするため3月に2週間の予定で来日したが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴いトルコに戻る飛行機が欠航。今のところ、5月下旬まで渡航ができない状況だ。
高野さんの家は祖父の代まで小田原駅前で老舗の履物店「相模屋」を営んでおり、県外で育った高野さんにとっても小田原は馴染みがあった。両親の墓参りをきっかけに、トルコに戻るまで親戚の家で暮らしている。現在、世界中の演劇人が厳しい状況にあり、高野さんも公演中だった舞台作品が中止に。再開の目途は立っていないという。それでも「改めて小田原の街をルーツに持っていることを再認識し、予期せぬ滞在を素晴らしい機会としてとらえています」と前向きだ。
高野さんは1998年、トルコと英国の合作映画のオーディションに合格したことをきっかけに、トルコでの活動を開始した。映画の公開と同時に注目を集め、瞬く間に人気女優に。「2010年トルコにおける日本年」で親善大使を務め、「イスタンブル国立劇団」に5年間参加した他、ドラマや映画に多数出演。今年公開予定のハリウッド映画『MINAMATA』にも出演し、国際的に活躍している。
食でつながるトルコと小田原
料理が得意な高野さんは、日本食と日本文化を紹介する本を出版している。また、トルコ航空の機内誌で連載を執筆しており、その中では食文化にもふれている。「トルコは肉料理が多いと思われがちですが、実はオリーブオイルを使ったヘルシーな野菜料理も豊富なんですよ。イスタンブールは魚料理がとても美味しいんです」。魚にオリーブ、レモンなどの小田原の特産品はトルコと共通しているという。
小田原駅東口の「創作酒場 三頭心」で、小田原の食材を使った高野さん監修のトルコ料理が予約限定で提供されている。「トルコと小田原の美味しいコラボができ上がりました。小田原の特産品を応援できたら」と高野さん。(問)同店【電話】080・3475・5890