地域コミュニティーの一つとして、近所の児童らが参加する「子ども会」の数が減少している。その現状と新たな支援の動きなどを探った。
(公社)全国子ども会連合会によると、子ども会とは地域を基盤とした異年齢の子どもたちの集団。小田原市では、各小学校区の子ども会がまとまり「連合子ども会」として活動していることもあり”小学生の集まり”という認識が強い。実際、市内では小学生が神社の例大祭や北條五代祭りのパレードなど大小各種行事に参加している。
小田原市子ども会連絡協議会に所属する子ども会は少子化が進む中、ピークとなる2017年度の120団体から急速に減少が進み、23年4月には46団体まで減少。ここ6年の間で6割以上が実質的な廃止である「脱退」、もしくは「休会」となっている。
地域全体で
多様化する生活様式に加え、コロナ禍で活動がなかった数年間の影響も大きい。市青少年課では「子ども会は保護者が運営を担うことが多く、共働き家庭の参加負担やスポーツクラブと活動が重なる等、参加できない家庭が増えた」と話す。
一方で、子ども会に代わる新たなコミュニティー形成を図る地域もある。酒匂エリアでは、なくなった子ども会に代わり22年度から自治会メンバー運営の「ふじっ子クラブ」を立ち上げ、活動を継続。学区全体で子ども会がなくなった富水では現在、地域のまちづくり組織が子どもサポート分科会を設けて行事を行うなど、地域のつながりを維持している。
行政側も子ども食堂立ち上げに費用を補助するほか、子ども会の野外活動に専門スタッフを派遣する仕組みも決まっている。新たな組織の支援、子ども会存続の両面からサポートを行っている。ふじっ子クラブの今屋健一会長は「子ども会の減少はやむを得ないことだが、子どもたちの成長や経験の場は必要。こういったコミュニティーを現役世代とは別の人材など、地域一体で受け皿を考えていくことが大切なのでは」と話している。
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