国登録有形文化財「清閑亭」(小田原市南町)で2月9日から約2週間、ふすまに絵を描く取り組みが行われた。
手掛けたのは、依頼があれば寺社や店舗、個人宅などへ画家が出向き制作する「ふすま絵プロジェクト」。「江戸時代の絵師が、一宿一飯のお礼にふすまに絵を描いていった」ように、思いつくままに描きたいと、画家の福井安紀(さだのり)さん(53)が2016年に設立。モットーは「早い、安い、上手い」。料金を抑えつつ明示することで依頼しやすくなる、数多く描くことで腕とスピードが上がる、収入も安定する-という循環で、画家を応援する狙いもある。
清閑亭は市所有の建造物利活用の一環で、3月25日に飲食店「小田原別邸料理 清閑亭」として開店を控える。今回の取り組みは、運営する(株)JSフードシステム(入生田)の田川順也社長が、おもてなしの空間演出の一環で依頼したものだ。
事前に田川社長と市内を視察し、また店舗への思いなどを聞き、福井さんは「『建物に込められた思いを継承していきたい』という考えに共感した」という。全部で42面のふすまに画家5人が、コンセプトを共有し、松や梅、白鷹などを描き上げた。またテーブルで食事するため視点を高めに想定する工夫もした。
田川社長は「絵師の皆さんの感性により、歴史とともに新しい息吹をお客様に感じてもらえれば」と満足げに語った。
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