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小田原・箱根・湯河原・真鶴 文化

公開日:2025.08.09

大山で「納め包丁の儀」
鮮魚商や買受人ら有志

  • 大山阿夫利神社下社を参拝する組合有志

 伊勢原市の大山阿夫利神社下社で7月20日、使われた包丁を奉納する「納め包丁の儀」が開かれた。主催者の小田原魚市場買受人組合(古川孝昭代表)をはじめ、伊勢原鮮魚商組合(田中由起組合長)のほか、相模湾の漁業者や鮮魚商などの関係者が参加。食に携わる人々が、日頃の営みでいただく命への感謝と、豊かな自然の恵みへの畏敬の念を新たにする貴重な機会となった。

 この儀式は、鎌倉時代に源頼朝が武運長久と妻・政子の安産を願い、大山に「納め太刀」を奉納した故事に倣い2017年から実施。20年から有志で大山詣りを行うようになったという。参加者は、神聖な社殿で古式にのっとり約50の包丁を奉納。海の幸・山の幸がもたらされたことへの感謝を捧げた。

 古川代表は、この取り組みを食育やSDGs(持続可能な開発目標)の観点からも捉えている。豊かな漁場である相模湾が、丹沢山系から流れるミネラル豊富な水によって育まれていることを強調し、「山と海の恵みは切り離せない。この地から、命の循環と自然との共存を次世代に伝えることが重要だ」と意義を語った。

 儀式後、参加者たちは山から一望できる相模湾の絶景を前に、改めて自然と食のつながりを感じた。その後、麓の宿坊「東學坊」で直会を行い、互いの労をねぎらうとともに今後の活動について語り合った。

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