小田原・箱根・湯河原・真鶴 社会
公開日:2025.10.04
箱根DMO
食品残渣再利用へ実証事業
湯本エリア12施設で12月
箱根町観光協会(箱根DMO)が町内の宿泊事業者などと連携して取り組む「環境先進観光地・箱根 食品リサイクル循環プロジェクト」のキックオフとなる第1回会議が、先ごろ湯本富士屋ホテルで開かれた。
同プロジェクトは、観光庁の「持続可能な観光推進モデル事業」に箱根DMOが応募した取り組み。町内の宿泊施設から排出される食品残渣(ざんさ)をリサイクルして「食の循環」を目指す。
箱根DMOによると、町内で排出される可燃ごみの8割は事業系で、うち半数近くが食品廃棄物という。プロジェクトでは食品リサイクルを行う日本フードエコロジーセンター(相模原市)の協力を得て、食品廃棄物を豚の飼料として再利用する実証事業に取り組む。
昨年度は町内6カ所の宿泊施設を対象に、残渣物の組成調査やリサイクル実証を行った。排出量の7〜8割がリサイクル可能だった一方、同センターへの運搬費や処分費、狭あいな道路事情による輸送体制の改善といった課題も見つかった。
今年度はより実運用に近い検証を行うため、対象施設を湯本エリアの12施設に拡大。輸送・運搬体制の課題解決を図る。
第1回会議には、プロジェクトに賛同する事業者や広域一般廃棄物事業協同組合、箱根町の関係者らが出席。実証調査は12月8日から22日にかけて行い、取り組みに関する観光客向けのアンケートを実施することなどを確認した。
将来的には、日本フードエコロジーセンターが製造した飼料で飼育された豚を箱根町の施設で提供するなど、食の循環につなげたいという。箱根DMOの勝俣伸理事長は「SDGsの観点からも非常に意義のある取り組みだ」と期待を寄せた。
出席した日本フードエコロジーセンターの高橋巧一代表取締役は「箱根のような日本有数の観光地がこのような取り組みを行うことで、非常に大きなインパクトを日本中に与えられると思う」と話した。
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