小田原・箱根・湯河原・真鶴 文化
公開日:2025.11.01
100年前の内田吐夢作品
東京国際映画祭で上映
晩年に小田原市で暮らした映画監督の内田吐夢(とむ)(1898〜1970年)の監督作品『少年美談 清き心』が、開催中の東京国際映画祭で上映される。
同作は、時代劇『大菩薩峠』や『宮本武蔵』シリーズなどを手掛けた内田吐夢が、大正末期の1925年に発表した無声映画。成績優秀な生徒が他人の落とした金を拾って道端に隠したと疑う担任が、道徳的な美談「安倍川の義夫」を用いて生徒を改心させようと試みるコミカルな展開と、意外な結末が用意されている。現存する内田単独の監督作品としては最古の映画とされる。
原作と脚色は、小田原市城山にある城源寺の第39世住職の兄・古林貞二さんによるもの。同寺は昨年、開山上人700回忌特別企画として本作の上映会を実施するなど、小田原にゆかりの深い作品を地域住民に楽しんでもらった。
同寺にも関わりのある100年前の作品がアジア最大級の映画祭で上映されることについて、現住職の古林哲茂さんは「小田原や寺とつながっている人々がこの映画の制作に携わっていたことに深い縁を感じる」と話した。
作品は11月2日(日)、弾き語り弁士として活動する山崎バニラさんの活弁とともに上映される。会場は東京・有楽町のTOHOシネマズシャンテで午前10時から。詳細は映画祭HPで確認できる。
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