山北駅前の商店街にこのほど、「やまきた駅前観音堂」がお目見えした。10月24日に開眼法要が営まれ、25日午後に開帳された。
明治から昭和にかけて「鉄道の町」として栄えた山北駅は駅員のいない無人駅。NPOが切符販売を担うものの乗降客数の減少が続き、目抜き通りのシンボルだったアーケードも老朽化で撤去された。最盛期に83軒あった商店も42軒まで減りシャッターが目立つようになった。
こうしたなか駅前の商店主らが駅周辺の魅力づくりとして「地域を見守る観音像の設置」を計画。地域に協力を打診したところ山北町商工会や観光協会をはじめ地元の商店など約50件が浄財を寄せた。
中学生も協力
観音像は駅前で仏像教室を開く彫刻家の蘭二朗さん(39)が制作した。山北駅から約1キロ南にある室生神社から譲り受けた高さ120センチ、幅50センチのクスノキの原木を使った。 蘭さんは「地域を見守る菩薩様なので、そうした思いも込めて作った。東京から町に移住して6年経つが、こうした貢献ができて嬉しい」と話す。
緑の字が映える看板は近所に住む露木花南さん(13)=山北中1年=が書いた。 小学2年生から書道教室に通う花南さんは、活動に参加する父・尚徳(なおのり)さん(37)に頼まれ筆をとった。「初めは恥ずかしくて気が進まなかったけど、観音様の制作に参加できてよかった。ずっとここにあると思うとうれしい」と話していた。
有志をまとめた田中屋肉店の瀬戸義信さん(49)は「皆さんの協力で観音堂ができた。毎月18日の縁日にはお守りなどを配れるようにしたい」と話す。
山北駅前では明日11月2日(日)に「やまきた駅前朝市」を開催。9店舗が参加する。実行委員長も務める瀬戸さんは「今後もさまざまなことに挑戦していきたい」と意欲を示している。
足柄版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|