小よく大を制する-。身長168センチ体重73キロと小柄ながら、日本を代表する空手家として活躍した谷川光さん(44)=4段=が今月5日、南足柄市竹松に道場を開いた。
谷川さんは、22歳で挑んだ1992年の第9回全日本ウエイト制空手道選手権大会で3位に入り頭角を表すと、94年に初優勝。無差別級の全日本選手権でも7位に入賞し、その後も軽量級で優勝、無差別級でも3位に入るなど第一線で活躍してきた。相手の周りを旋回することで有効打を与えず、逆に的確な攻撃で相手を倒すことから「人間風車」の異名でファンも多くいた。
97年に初開催されたカラテワールドカップでは軽量級で優勝。05年には2度目の優勝を果たし、38歳で挑んだ無差別級の全日本選手権も4位に返り咲き、「偉業」として賞賛を浴びた。
13年に惜しまれつつ現役を引退してからは後進の指導に専念している。
慕われる人柄
現役時代に小田原市栢山に開いた新極真会西神奈川支部は現在、小田原市栄町三島、二宮の4カ所に拡大。その本拠地となる道場をこのほど、南足柄へ移した。
谷川師範の元には幼児から60歳代まで約200人の門下生が集まる。強さは内に秘め、偉ぶらず、優しい。そんな人柄を慕い他道場から指導を求めに来る空手家も少なくない。心身の鍛錬や空手道の追求、競技での上位入賞など目的は様々だが「楽しみながら空手道の奥底に興味を持ってもらえるよう接しています」と師範は話す。
期待の少年
その門下生からこの夏、一人の有望株が表れた。大井町西大井に住む小玉司くん(12)=上大井小=がその選手だ。
兄・怜くん(16)の影響で5歳から空手を始めた司くんは小学生日本一を決めるドリームカップに4年生で初出場するも初戦敗退。昨年はベスト16入りを果たすと、今夏には3位入賞(型)するまでに成長した。 11月初旬には国内の有力選手が招集される全日本ユース合宿にも参加。さらなる高みを目指している。
司くんについて谷川師範は「何よりも一生懸命。同じことの繰り返しにも飽きず、打たれても向かう姿勢を失わない」と評する。司くんも「将来は師範のように世界で活躍したい」と闘志を内に秘める。
谷川師範は「強い選手を育てることはもちろんですが、空手を通じてモラルやけじめなども伝えられれば」と話している。
世界トップを極めた空手家として積み重ねた経験をもとに後進の指導にあたる谷川さんの、新たな場所での指導に期待がかかる。
※谷川道場(【電話】0465・44・4460)
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