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足柄 人物風土記

公開日:2026.10.10

山北町の「室生神社の流鏑馬」を15年以上撮影する 鈴木 義和さん 山北町岸在住 66歳

  • 鈴木 義和さん (写真1)

輝く一瞬を追い続けて

 ○…馬、射手、矢、観衆…。すべてのタイミングがかみ合った一枚を撮るのは簡単ではない。だからこそ「いい写真を撮る」という使命感に胸が高鳴る。今年もそんな季節が近づいてきた。山北町の伝統行事「室生神社の流鏑馬」だ。公式カメラマンを務めて15年以上。馬場のすぐそばには、いつもこの顔がある。830年の歴史をつなぐには、まず知ってもらうことで、発信する一枚一枚がカギ。その責任感をかみしめる。

 ○…29歳で初めてカメラを手にして以降、数えきれないほどのシャッターを切ってきた。被写体として特に思い入れが深いのは、好きな野球、空手、伝統行事。一方で大切にしているのは、経営する美容室で客とのつながりから撮る七五三や成人式の撮影だ。多くを語る写真であることを意識しており、自身の一枚から人と人がつながったり、スポーツに興味を持ったりしてもらえることが何よりうれしい。

 ○…2年前に小脳出血を発症。一時は歩くことも、思うように言葉を発することもできなくなった。それでもリハビリに励み、約1カ月半後には日常生活へと復帰することができた。今も身体が思うようにいかない場面もあるが、妻の支えで何とかやっている。自身が店を空ける時には美容室を切り盛りし、時に現場にも同行してくれる。「もう決して頭が上がらない」と頭を垂れる。

 ○…時間も人も費用もかかる伝統文化の継承や存続は全国各地で大きな課題だ。歴史のバトンを未来へつなぎたい思いはもちろんだが、理由はそれだけではない。昔から、祭りは地域の人たちが集い絆を深める大切な時間だった。「毎年楽しみなんです。これからも流鏑馬の姿を撮り続けていきたいですね」。この日一番の笑顔が咲いた。

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