桐光学園(2年生)三塁手として甲子園に出場した 中野 速人さん 都筑区在住
満足より悔しさ
○…激戦の神奈川大会を制し、甲子園ベスト8入りを果たした桐光学園の三塁手。3回戦の浦添戦(沖縄)では、打順9番ながら2安打の活躍をみせ、勝負強さを印象付けた。「帰ってきて『おめでとう』と声をかけられて嬉しいですけど、やはり満足感は全然なくて」。チームとして目指していたのは上位進出ではなく、全国の”テッペン”。高い目標を抱いていただけに、フツフツと残る悔しさはいまだに消化しきれない。「甲子園は子どもの頃からの夢の舞台。また出場して野球を楽しみたい」と気持ちを切り替える。
〇…甲子園でちょっとした”珍事”が起こった。準々決勝の光星学院戦までサードに打球が一度も飛んでこなかった。チームメイトからは「今日お前何もしてないだろ」などと揶揄された。しかし、本人の集中力は1球たりとも切れることがなかった。「いつバントなどでゆさぶりが来てもおかしくない。『早くとんでこい』と思いながら守備についていました」。”念願の打球”は光星学院9回の攻撃、先頭打者と次打者で訪れた。「難しい打球でしたけど体が自然に動きました。最後の最後でようやくきましたね」と白い歯をこぼした。
〇…出身は千葉県習志野市。小学5年生の時に都筑区に。すぐに地元の少年野球チーム「川和シャークス」に入団し、いきなり4番に抜擢された。「今こうやって野球をしているのも素晴らしい指導者に恵まれたおかげです。自由で開放的な環境でやれたことが本当に良かった」と振り返る。
〇…桐光野球部はすでに練習を再開している。新チームでは副キャプテンに就任した。「桐光はいい意味で上下関係がなく、全員の意見がきちんと伝えられるチーム。しっかりキャプテンをサポートしてレベルアップを図りたい」。実直な性格で、野球に対する情熱は誰にも負けない。甲子園出場というかけがえのない経験を胸に、今日も白球と向き合う。
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