創立20周年を迎えた中学生硬式野球チーム「保土ケ谷リトルシニア」の監督を務める 中島 慎司さん 星川在住 58歳
野球を通じ、人間教育
○…20年前の春、生まれ育った保土ケ谷の地に中学生硬式野球チームを立ち上げた。「何もない中でのスタートだった。若造の勢いだけだったよね。あったのは情熱だけ。無我夢中だった。気が付けばこの歳、俺も丸くなったよ」。若い頃のやんちゃさが滲み出る褐色に焼けた顔に笑みを浮かべる。「『保土ケ谷っ子』だけのチームでさ、全国大会に行きたいんだよ。うちは保土ケ谷のチームだからね」。20年前から変わらぬ思い。いまなお、追い求める夢だ。
○…男の子の遊びと言えば野球という時代。地元の少年野球チームに入団し、その後の人生そのものともいえる野球の道を歩み始めた。保土ケ谷中学校から進学した向上高校では1年生からレギュラーとして活躍。3年時の夏の県大会では決勝戦に進出し、原辰徳選手要する名門・東海大相模と対戦するも惜敗。少年時代からの夢だった甲子園出場へあと一歩に迫った。
○…高校時代に出会った校長が恩師のひとり。「やんちゃ坊主」が集まったクラスをこの校長自ら指導にあたった。「大学で野球をやれ」。恩師が放ったこの言葉で「苦手だった」という勉学に勤しみ関東学院大学に進学した。「この人がいなかったら、どんな道に行っていたのか」。創立20年を記念した式典で、背筋をピンと伸ばし、壇上で祝辞を述べる恩師の言葉に聞き入る姿に、感謝の念の大きさを感じる。
○…「人間的成長なくして技術的進歩なし」。チームを立ち上げた当初からの信念だ。挨拶、礼儀、社会ルールを徹底的に指導。野球道具を粗末に扱うことは絶対に許さない。5年前には所属支部からチームのマナーを評価された。「試合に勝つよりも嬉しかったよ」。チームを野球を通じた人間教育の場と捉える。深い愛情を注ぎ続け、育ててきた卒団生は200人を超える。「『監督、この日開いてますよ』なんて、連絡してくんだよ」。OBとの一杯は格別だ。
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