海老名版 掲載号:2017年5月12日号

ドット絵は「引き算の美学」 文化

小野浩さん(東柏ケ谷在住)

作品を手に微笑む小野さん
作品を手に微笑む小野さん
 かつてゲームセンターやファミリーコンピューターなどで見られた「ドット絵」。技術の進化とともにリアルで美しい描写が求められる中、昨今ではゲームアプリやテレビCMなど、様々なシーンで「ドット絵」が復刻されている。ナムコ(現・バンダイナムコエンターテイメント)で数々の作品を手掛けた東柏ケ谷に住む小野浩さん(5月5日号人物風土記で紹介)も、フリーランスとしてこの「ドット絵」を描き続けている一人だ。

 小野さんはナムコに1979年入社後、グラフィックデザイナーとして開発部のデザイン課に配属された。製品のロゴや、アーケードゲーム機に付ける操作説明カードなど印刷物をデザインしながら、『ゼビウス』や『ファミスタ』など様々なゲームのドット絵制作にも携わっていた。

 今でこそメジャーなゲーム業界も、当時は商材としての注目が集まり始めたばかりでノウハウも前例もなかった。ましてや今の高性能ゲーム機と違い、16マス×16マスという限られた容量の中で求められる表現。試行錯誤を繰り返し独自の手法を編み出す姿に、いつしか「Mr.ドットマン」という愛称がついた。

 異動により10年ほどドット絵から離れたが、携帯電話普及によるiモード登場がきっかけで再び携わることになる。携帯電話用コンテンツを作るにあたり、ドット絵を描ける社員がいなかったからだ。この部署で15年ほど働き、現在に至る。

 退職しフリーランスに転身後、バンダイナムコから再び声が掛かる。同社の『アイドルマスター』や『テイルズ・オブ』シリーズのキャラのドット絵化、バンダイナムコ・セガ・カプコンの共同企画「プロジェクトクロスゾーン」のドット絵グッズをデザインするなど、活躍の場を広げている。

 「今のキャラを描き直すは、大変だけどおもしろい」と話す小野さん。昨今のゲーム用にデザインされたキャラをレトロ感あふれるドット絵に落とし込むには、髪型やキメポーズなど「それとわかる特徴」を的確に捉え簡略化する必要がある。これを同氏は、「引き算の美学」と表現する。

 「今は県央地区で、ドット絵のワークショップを開きたい」と意欲を覗かせる小野さん。今後の地元での活躍に期待が寄せられる。

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