文部科学大臣優秀教員表彰を受賞した 村上聡(さとる)さん 県立愛川高校総括教諭 49歳
まだまだ修行中
○…「誰にも真似できない自分だけの授業を目ざしている。その中で授業展開が評価されたことは嬉しい」とにこやか。文部科学大臣優秀教員表彰は今年で6回目。全国の国公私立学校の教職10年以上、35歳以上の現職教員の中から顕著な成果を挙げた人を表彰している。今年の被表彰者は全国で847名。教職経験26年で担当は生物。常に、生徒の興味や関心を分析し、状況に応じて授業の内容や流れを考えている。
○…基本にあるのは「授業は全員参加で」という思い。黒板を多用せず、自作のプリントを使用し、顔を見ながらテンポ良く発問することで生徒の考えを引き出す。実験では操作方法等はグループの代表者のみに説明。それを他の生徒に説明させることで理解を深め、生徒間の会話を促している。また、授業は若手教員に積極的に公開。「私もまだまだ修行中ですが、真似できるならやってみろという位の意気込みでやってますから」と。
○…「先生のような先生になりたい」。そう言って巣立った教え子が教育実習に来て、実際に教壇に立つ者も現れた。「教師冥利に尽きます」と感慨無量な面持ち。自身もいつも親身に言葉をかけてくれた中学時代の恩師に憧れ、現在の道を選んでいる。今後もスライドやアニメーションの活用など新たな授業展開のアイデアは尽きない。
○…岩手県出身。聞くと、学生時代は独学でキーボードをマスター。歌って弾いてのバンド活動に夢中だったという。今でもチューリップの「青春の影」には心が躍る。なるほど、ユーモアを交えながら、何を聞いてもよどみなく返す様は”場慣れ”している。40歳で一年発起し、長らく休止していた剣道を再開、現在四段。授業以外にも写真に文集作りにといつも全力投球。「きっとそういうタイプなんです」と微笑んだ。