売りは「ゆる設定」
ネコか、はたまたおじさんか…。平塚市漁業協同組合が関わるイベントを中心に、昨年から出没している謎のキャラクターがいる。その名も「ひらつかタマ三郎」。東海大学芸術学科の池村明生教授ゼミの学生によって生み出された、平塚の漁業PRキャラクターだ。
タマ三郎誕生のきっかけとなったのは、2年前の東海大学の建学祭。東海大生がデザインした平塚産農産物PRキャラクター「ベジ太」のブースと、平塚漁協の交流ブースが隣り合わせとなり、池村教授と漁協関係者で「ベジ太のような漁業PRキャラを作ろう」と企画が生まれた。
その後はトントン拍子にやり取りが進み、「ベジ太が犬だから、漁業はネコ。魚を持つだけだとただの猫だから、折角なら漁師にしよう。漁師はもっとワイルドだ、と相談するうちに完成しました」と、同組合は笑いながら振り返る。
学生のデザインが出来上がったのが2014年1月。その後次年度へ企画が引き継がれ、フェイスブックのページが作成された。同年の秋に、学生手づくりの頭部の張子が完成して以降は、同組合のイベントなどに直接「出没」し、平塚の漁業PRに励んでいる。
タマ三郎の特徴は「ゆる設定」。「型にはめてしまうと、活動に制限が出てくる。PRキャラはデザイン作成だけで終わりがちなのですが、タマ三郎にはきちんと活躍してもらいたかった。だから学生や組合の方たちが積極的に設定に関われる、親しみやすさ、ゆるさを設けた」と池村教授は説明する。
学生によって加えられたタマ三郎の設定は「趣味は川柳」「大酒呑みで、奥さんと娘に去られてしまいバツイチ」「ヒゲは実はタコでお風呂に入ると『ゆでダコ』になる」など。「一見ぎょっとする設定も、印象を強め、親しみやすさを演出するエッセンスになる」という。
また、張子は頭部だけのため、出没する際は、学生を中心に性別問わずに演じ手が変わる。「今日は動きが機敏だね、など見る人達も面白がってくれている」と同組合は話す。
タマ三郎のイラストは組合の封筒や名刺、イベントの看板などにも使用されている。市内外の人で賑わいを見せる「平塚漁港の食堂」(千石河岸)でも今月から紹介ブースを設置した。パネルは不定期に変更予定だという。同組合は「平塚の漁業、なんだか面白そうなことやってるな、と思ってもらい、関心を持ってもらえれば狙い通り。今後は地域活性も含め活動を展開させたい。期待してほしい」と笑顔で話した。
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