神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

片浦の空き家に熱視線 物件内覧ツアーも開催

文化

公開:2016年3月5日

  • X
  • LINE
  • hatena
ツアーで物件を巡った
ツアーで物件を巡った

 海、山と自然に囲まれた片浦地域への移住が、目立つようになってきた。人口減少、耕作放棄地拡大、後継者不足などの課題に直面する中、独自の動きによって人が集まってきている。

 眼前に相模湾が広がる根府川駅。2月29日午前11時30分、市内外の単身者や家族連れなど17人の姿があった。「片浦地区空き家バンクツアー」の参加者たちだ。根府川、江之浦、米神、石橋の片浦地域に興味を持つ人々が、1日かけて空き家を巡った。

 二宮町から訪れた50代女性は、「太陽の力や海の濃さなど自然の健康度が高い。移住も考えている」といい、居住者のいない一軒家を吟味した。平塚の40代女性は娘と参加。「今より利便性は下がるが、眺望はそれ以上に魅力。いるだけで癒されそう」と頬を緩めた。

 ツアーは、不動産会社を通じた一般的な家探しと異なり、街の雰囲気を体感してもらうことも狙い。昼食は地元のしいたけ料理を堪能。診療所や行政機関といった生活拠点、パワースポットも行程に組み込んだ。不動産業に携わり、今回の案内役を務めた瀬戸ひふ美さん(32)は「家を紹介するのではなく、街を紹介する。地元の人や場所にふれて街を好きになってもらい、その先に家がある」。自身も片浦の街並に惹かれ、小田原市街から根府川へこの春引っ越す。

昨年から16組内覧4組が成約し移住

 全国で顕在化する空き家問題に対し、片浦では独自の取り組みを進めている。地元住民らを中心に「片浦地区まちづくり委員会」が2年前に発足。会で掲げた3本の柱のうちの1つが”空き家バンク事業”だ。空き家情報を集約し、借り手と貸し手を結びつけていく。

 昨年は11組、今年はすでに5組が物件を内覧。うち4組が成約に至った。東京に15年住んだ小林ひさえさんは、田舎暮らしを望んで昨年4月に江之浦の戸建てに移住。以前のマンションに比べて家賃は3分の1、広さは4倍以上、庭まで手に入れた。新宿への電車通勤は遠くなり、最寄りの根府川駅まで徒歩35分を要するが、「見渡す景色が本当にきれいなんです」と苦にならない様子。むしろ、1年前から『みちる』として始めた歌手活動において、歩いているときに歌詞やメロディーが浮かび、曲作りがはかどるという。

 片浦では、家だけでなく「空き畑」の活用も見られる。東京で知的障害者を支援するNPOこげら会は、空き家を借りて新拠点を設置。さらに、米神の農家のみかん狩りや山の整備を手伝う。同会職員の松崎恵美さんは、「のどかな小田原で農業活動の幅を広げていきたい」と先を見据える。市内でも独特の雰囲気を持つ片浦が、じわりじわりと変わりつつある。

小田原・箱根・湯河原・真鶴版のローカルニュース最新6

5度の荒行を成満

5度の荒行を成満

法船寺の下津住職

3月23日

新坂下トンネル工事を見学

新坂下トンネル工事を見学

市内の児童らが参加

3月23日

山焼きで景観維持

山焼きで景観維持

仙石原すすき草原

3月23日

ラグビー公式戦無料招待

ラグビー公式戦無料招待

城山競技場で3月31日

3月23日

小田原の声楽家 西由起子さんが企画

星野富弘 花の詩画展 開催記念コンサート 3月27日三の丸ホール

小田原の声楽家 西由起子さんが企画

3月23日

クリニック併設 安心の住まい

クリニック併設 安心の住まい

23日・24日 試食付き見学会

3月23日

あっとほーむデスク

  • 3月23日0:00更新

  • 3月16日0:00更新

  • 3月2日0:00更新

小田原・箱根・湯河原・真鶴版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年3月23日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook