空き店舗整備、ネットで資金募る
湯河原の湯元通りで、空き店舗を改装し温泉情緒を復活させる試みが始まった。
通りで精肉店を営む加藤功さん(70)が取り組むのは、隣の元鮮魚店の改装。湯元通りは湯河原温泉の表通りとなる県道から藤木橋を渡った一帯で、のべ約300mの路地に江戸時代創業の老舗旅館などが点在し、観光客がレトロな雰囲気を求めて散策する。しかし他の温泉地と同様に老舗旅館の閉鎖、空き店舗化が進み、かつての温泉場情緒はパズルのピースを失うように薄れてしまった。
湯元通りでは地権者の9割が賛同する形で今年3月に「湯元通りまちなみ協定」を締結。景観を守る約束を取り決めるなど、保全への機運が高まっている。鮮魚店は2年ほど閉じた状態だったが、加藤さんは「とりあえず店を開けなければ人は来ない」とリニューアルを決意。店舗を購入して内部を食堂に改装した。10日にオープンする店の名は「食事処かとう」とし、トンカツ定食などを用意、川を望むテーブル席もしつらえたが、外観を温泉場らしい風景に直す費用までは捻出できなかった。
そんな加藤さんを後押ししようと、町づくり協議会の部会に関わる中西佳代子さん((株)ランドスケープ&パートナーシップ代表)は「クラウドファンディング」を発案した。ネット上で食堂1階部分の外装整備資金を募るというもので、イメージ画像を使いながら加藤さんの挑戦を紹介したところ、今月8日時点で町内外から約48万円が集まった。近所で老舗旅館を運営する室伏常夫さんは「このままでは貴重な風景が特色を失い、住宅地になってしまう。タイムアップ寸前のチャンスだ」とチャレンジに願いを託している。
詳しくはインターネット「readyfor」のサイトで「湯河原の温泉場の再生を願う食堂づくり」を選択。またはヤフーやグーグルで「湯河原 温泉場 再生」のキーワードで検索を。
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