横須賀・三浦 人物風土記
公開日：2025.12.19
横須賀市の国際交流員としてフランス文化の橋渡し役を務める
ニコラ シャンデリエさん
横須賀市馬堀町在住 37歳
「日仏文化」交流のかけ橋に
○…行政書類やスピーチの翻訳、通訳、外国語での情報発信、国際記念式典の企画・開催、フランス文化の紹介イベントなど多岐にわたる仕事をこなし３年半。国際交流員として横須賀市を志望したのは、市の姉妹都市のひとつである仏国・ブレスト市に母が居住していることも理由だった。「運命的な縁があったのかな。住んでみると、市民との心の距離が近く、自然や食も豊か。横須賀は本当に良いまちだ」
○…スウェーデン生まれ。８歳からフランス・パリの郊外で育った。日本に魅了されたのはボランティアで初来日した２０１３年。独自の哲学と様式美に裏打ちされた文化や建築、食-。そのすべてに心を奪われた。翌年、ワーキングホリデーで再び日本に訪れ、語学学校やアルバイトで日本語を習得。帰国し大学を卒業、国際貿易関係の仕事に従事した。22年、大学院在籍時の交換留学を経て、国際交流員の道を歩み始めた。
○…日々の癒しは専ら趣味に費やす時間だ。音楽や言語学習、読書に描画、建築物鑑賞。中でも温泉めぐりには目がない。「来日前、彫ろうと思っていたタトゥーをやめた。日本の温泉に入れなくなるからね」と流ちょうな日本語で語る。
○…文化交流イベントでは市民との会話を「すごく大事で、すごく大好きなこと」と重要視。フランス語を学ぶ場がないという声を元に打ち立てた語学レッスンの場は実現こそできなかったが、学校への文化紹介など、構想は源泉のように湧出する。横須賀製鉄所建設に尽力した技師・ヴェルニーの存在や、日仏姉妹灯台の認定など、市とフランスの所縁も深い。国際交流員としての任期満了後は、｢ずっと日本で仕事がしたい｣。母国の文化と日本の魅力を繋ぐ｢かけ橋｣であり続ける。
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