緑区版 掲載号:2014年9月18日号 エリアトップへ

今夏で横浜高校硬式野球部のコーチを退任した 小倉 清一郎さん 中区在住 70歳

掲載号:2014年9月18日号

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高校野球道に曇りなし

 ○…幾度となく勝利を導いた鋭い観察眼――「もう左目は見えないんだよ」。そう言いつつ、グラウンドからは片時も目を離さない。選手の発掘や緻密な分析で手腕を振るった41年は、長いようで短かった。「70歳、良い引き際だ」。甲子園通算62勝、プロ輩出40人。高校球史に栄光の記録を刻んだ名参謀が、横浜を去った。

 ○…中区本牧出身。小4で始めた野球はただ打つ快感が面白かった。大鳥中時代、法政二高を目指すが、進んだのは当時アウトローの印象が強かった横浜。捕手として、同級生の渡辺元智監督と県準優勝を果たした。指導者の道を歩み、初の甲子園行きを掴んだのは静岡・東海大一高コーチ時代。「甲子園行くくらい難しくなかった」。33歳で横浜の監督になるも一年で横浜商へ。だが、水道関係の仕事と掛け持ちのため甲子園が決まるたび職を変えることに。「5、6回変わったね」。野球も仕事も腕に自信があったからこそ続けられた。

 ○…部長として横浜に迎えられたのは1990年。「サイン以外はやった。半分監督みたいなことをやらせてもらいましたよ」。部長の立場を越えて徹底指導。8年後に甲子園春夏連覇を打ち立てた。印象深い場面だが「一番充実を感じた時とも限らない」ときっぱり。「石川、下水流、福田…」代ごとに選手と感じた喜びに優劣はつけられない。一方、「3年間一度も投げずに卒業した子は一番気になりますよ」と話す。選手の成長や葛藤を傍で見てきた分、コーチに就任した10年からは歯がゆさもあった。「不満ばかり」とぽつり。「自分が指示を出せないしデータが生きない。やっぱりベンチに入ってなんぼだよね」

 ○…今後は全国の高校を回って指導する。「八方美人になるから」と、神奈川なら一校だけと決めている。「高校野球しか飯を食えない」と一言。「高校野球が一番熱い心で、良い勝負をしようという思いでできる。子どもの成長を楽しみにするだけのことだよ」

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